人事担当者は、自社の従業員がどのようなスキルや能力を持っているのか把握していると、戦略的な人材配置に役立ちます。
スキルのある人材、優秀な人材の能力を引き出すために「タレントマネジメント」が注目されています。
今回は、タレントマネジメントを遂行する「タレントマネジメントシステム」について詳しくご紹介していきましょう。
タレントマネジメントとは?
タレント(talent)とは、才能・資質・技量という意味を持つ言葉です。
人材管理の視点では、会社に大きく貢献する優秀な人材、スキルを持っている人材という意味もあります。
タレントマネジメントとは、自社の従業員がどんな
スキルや能力を持っているのかを把握し、パフォーマンスを最大化するための戦略的な取り組みです。
タレントマネジメントを行う目的
タレントマネジメントは、自社の競争力を更に高めることが最大の目的です。
企業の競争力を高めるためには、人材育成、人事制度が重要視されています。
人材の能力・資質を高める育成、従業員の意欲を引き出す人事・処遇制度を行うことで、業界で生き残ることができると考えられています。
タレントマネジメントを行うメリット
人事担当者は、能力・スキルを持った人材を、最も効果的に価値を生み出せるポジションに配置することが大切です。
タレントマネジメントを実践すると、人材の持つ知識やスキルが視覚化され、人材の適切な配置が可能になるのがメリット。
優秀な人材の流出を防ぎ、次世代リーダーの育成、
社員のモチベーション維持にも役立ちます。
知識やスキルを最大限に活かした企業の経営戦略ができること最大のメリットです。
タレントマネジメントシステムとは
タレントマネジメントシステムとは、人事業務の効率化と一貫性のある人事の遂行を実現するシステムです。
従業員が持つスキルや経験値をデータ化して、一元管理するシステムを指します。
従業員の能力を可視化することができるので、戦略的な人材配置・開発が可能になります。
タレントマネジメントシステムの導入事例
ここからは、タレントマネジメントシステムの導入事例を見ていきましょう。
1. リブセンス
求人情報メディアや不動産情報メディアなど、メディア事業を手がける株式会社リブセンス。
リブセンスは、複雑化する組織にも柔軟に対応できる「カオナビ」を導入し、多様なタレントのマネジメントを支えています。
従業員のスキルや得意分野など、様々な情報を適切に管理し、効果的に活用・育成に役立てています。
人事担当者は、顔と名前を一致させたり、誰がどの部署にいるか確認しやすくなり、全社のチームワーク向上にも効果を発揮しています。
2. 株式会社マネーフォワード
株式会社マネーフォワードは、自動家計簿・資産管理、ビジネス向けクラウドサービスなど、お金に関するプラットフォームを開発・提供しています。
人事労務に関わるすべての業務の一気通貫・最適化を目指すために、タレントマネジメント、労務管理サービスとのAPI連携を強化。
従業員データをクラウド人材ツール「カオナビ」と株式会社日本シャルフが提供する社会保険雇用情報管理システム「イージアZero」にAPI連携しています。
3. LIFULL
株式会社LIFULLは日本最大級の不動産・住宅ポータルサイト「LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)」を運営しています。
最高のタレントマネジメントの仕組みを構築するために「タレントパレット」を導入。
人材の分析は豊富な知見に基づく機能、人事評価ワークフロー、モチベーション測定の機能、360度フィードバック機能を活用しています。
4. パーソナルキャリア株式会社
パーソルキャリア株式会社は、アルバイト求人情報サービス「an」、転職サービス「doda」など、様々な人材サービスを手掛けています。
数多くの社員の声を聞き出すために、「Geppo」を導入し、従業員と組織の課題をいち早く捉えて解決する取り組みを行っています。
経営、人事、事業部が三位一体となってPDCAサイクルを回すためにも役立っています。
5. 株式会社丸井グループ
株式会社丸井グループは小売と金融が一体となった独自のビジネスモデルを行っています。
時代やお客様のニーズの変化に合わせて革新・進化させ続けている企業です。
将来は、社員一人ひとりの成長に向けた活用範囲の拡大を目指すためにタレントマネジメントを強化。
中期経営推進会議、ビジネススクールへの派遣、各種プロジェクト活動など「自ら考え、自ら行動する」社員の育成に力を入れています。
タレントマネジメントシステムやツールの比較
ここからは、おすすめのタレントマネジメントシステムやツールをご紹介しましょう。
カオナビ
▼カオナビの特徴
キャリア、実績、特技、スキル、能力などの人材情報を一元管理
マニュアルなしでも誰でも簡単に使うことが可能
顔写真の一覧画面で直感的に人材を把握・管理できる人事評価システム
配置、抜擢、異動のシミュレーションも効率的
評価フォームの設計が簡単に作成できるシンプルなインターフェイス
目標管理制度、360度評価、OKR、評価履歴
IBM Kenexa(ケネクサ)
▼IBM Kenexa(ケネクサ)の特徴
人間の言語を理解するAI機能
最先端の人工知能Watsonが搭載
人事管理に必要な機能を全て搭載している
通常の勤務、離職を防ぐための調査、退職時までのプロセスを調査する
社員一人ひとりのエンゲージメント調査を行う
専門のコンサルティング会社に依頼する調査を自社で行える
優秀な人材の流出を防ぐ
Profile manager
▼Profile Manager(サイダス)の特徴
人材マネジメントの効率を上げる
社員の顔や名前、スキル、経歴、過去の評価、人材情報をを一元管理
最適な人材を目的別に簡単検索
社員一人ひとりを把握できる
すべての項目から絞り込み検索が可能
最も適する人材を瞬時に選定可能
経営会議や人事会議の効率が上がる
タレントマネジメントを成功させるためのポイント
タレントマネジメントを成功させるために、以下の3つのポイントを意識しましょう。
導入の目的や必要なデータを明確にする
タレントマネジメントの導入には、明確な経営戦略
と導入目的を決めることが大切です。
企業にとって人材は財産であると認識し、人材に対する考え方を改める意識改革がポイント。
長期的な視点に立った人材育成を実施して、社内環境を整えていきましょう。
社員からの理解を得る
タレントマネジメントでは、基本情報(年齢、学歴、職歴など)のほか、個人の価値観、趣味、スキルなど、個人のプライバシーについて細かく調べていきます。
タレントマネジメントの導入にあたっては、全社員
に個人情報が必要な理由を十分に説明して、理解を得ることが大切です。
PDCAを回す
「PDCA」とは「PDCAサイクル」とも呼ばれ、以下のサイクルを繰り返し行うことで、継続的な業務の改善を促す技法です。
▼PDCA
Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)
タレントマネジメントは、Action(改善)が終了したら、また最初のPlan(計画)に戻って循環させて繰り返し回し続けることが大切です。
まとめ
タレントマネジメントは成功するポイントを意識シテ導入すれば、人材マネジメントを効率化します。
企業の人材戦略の課題解決に向けて、従業員のパフォーマンスを高めるタレントマネジメントシステムを検討してみてはいかがでしょうか。