ロイヤリティとは?
ロイヤリティとは、英語ではLoyalty もしくはRoyaltyと書きます。日本語の発音はどちらもロイヤリティですが、英語で2つの単語に分かれているだけあって、使われる意味が異なります。
ロイヤリティの意味
ロイヤリティの意味は、忠誠・忠実、権利使用料というように使われます。
忠誠・忠実
忠誠・忠実の意味で使われるロイヤリティは、「彼は会社に対してロイヤリティをもって働いている」「僕は会社にロイヤリティがなくなったので、転職する」等のように使われます。
権利使用料
権利使用料の意味で使われるロイヤリティは、「音楽プロデューサーのAさんは、自分が手掛けた曲がCMやカラオケで使われたため、多額のロイヤリティが入った」「B社が特許を持っている発明を使うため、B社にロイヤリティを支払う」「コンビニのフランチャイズ契約を結ぶ時、毎月10万円のロイヤリティを支払う必要がある」等のように使われます。
ロイヤリティとロイヤルティの違い
ロイヤリティとよく似た言葉にロイヤルティがあります。意味の違いはなんでしょうか。
厳密な違いはない
ロイヤリティとロイヤルティには、厳密には意味の違いはありません。ロイヤリティは忠誠・忠実、ロイヤルティは権利使用料という意味で使う、というような使い分けはビジネスではなされていません。文脈で忠誠・忠実で使われているのか、権利使用料で使われているのかを判断することになります。
ロイヤリティの使い方
ロイヤリティの使い方をマーケティング・経営・知的財産権の3つに分けて説明します。
マーケティングで使われるロイヤリティ
マーケティングで使われるロイヤリティは、忠誠・忠実の意味で使われますが、忠誠・忠実という表現よりは、顧客による会社やブランド、商品に対する愛着という意味合いが強いですね。顧客がブランドに対してロイヤリティ(愛着)を持っていればマーケティング戦略を講じやすいです。一方で顧客のロイヤリティが薄いようなら他社に乗り換えられてしまうのでマーケティング戦略の練り直しが求められる…というような使い方ができます。
経営で使われるロイヤリティ
経営で使われるロイヤリティとしては、社員による会社に対する忠誠・忠実という意味で使われます。つまり、自社社員はどれだけ会社へのロイヤリティを持っているかという文脈で使われ、もしロイヤリティが低いのであれば、ロイヤリティを高めるようにするための施策を考えるというように使われます。
会社に対する忠誠・忠実という意味では、エンゲージメントとの関係でも使われます。ロイヤリティは社員による忠誠・忠実ですが、労使間のエンゲージメントは、会社は従業員に対する信頼、従業員は会社に対する忠誠・忠実という関係を示します。つまりエンゲージメントは、会社・従業員双方における愛着のある関係性を示すのです。
知的財産権で使われるロイヤリティ
知的財産権で使われるロイヤリティは、発明した特許を第三者に使わせる時の使用料を言います。第三者は特許を使用する時にはロイヤリティを支払って、初めて使うことができます。企業は第三者から特許を使わせて欲しいとのニーズがあった時、許可をしますが、その際に使用するためのロイヤリティを支払ってもらうのです。もし自社の特許を第三者がロイヤリティを払わずに勝手に使ってしまえば、特許権侵害となります。
知的財産権を第三者に使わせるので、第三者から「特許を使わせて下さい」と言われて「はい、どうぞ」という訳にはいきません。きちんと契約書を締結して、ロイヤリティの金額を定めた上で使わせることになります。ロイヤリティの金額は定額ではなく、例えば「1台生産するごとに10万円」と決めます。
ロイヤリティを使った熟語
ロイヤリティには、ロイヤリティを使った熟語が存在します。ブランドロイヤリティ・ロイヤリティマーケティング・ロイヤリティフリーの3つを紹介します。
ブランドロイヤリティ
ブランドロイヤリティは、あるブランドについて繰り返し使ったり買ったりする顧客の行為を言います。顧客は気に入ったブランドに愛着を持ち、ブランドを所有する自分に満足します。それゆえに、ブランドの商品・サービスを繰り返し使い続けます。
ロイヤリティマーケティング
ロイヤリティマーケティングは、顧客のブランドロイヤリティを活用するマーケティングの考え方を示す熟語。他社には目もくれず、自社のブランド商品を買い続けてくれるブランドロイヤリティの高い顧客に対して、ロイヤリティをいっそう定着させることを目指したマーケティング戦略なのです。新規の顧客獲得は大事ですが、自社に愛着を持ってくれる顧客を持っておけば、景気の波にもそれほど影響を受けないし、経営も安定します。
ロイヤリティフリー
ロイヤリティフリーとは、権利使用料が取られないという意味の熟語です。インターネットで検索すると、第三者が書いた文章や撮影した写真であるにもかかわらず、権利使用料が取られず自由に使用できる場合があります。これをロイヤリティフリーと言います。
フランチャイズで使われるロイヤリティ
フランチャイズに加盟すると、本部に商号を使う権利・経営指導等を受けることができます。この際の対価をロイヤリティと言います。権利使用料としてのロイヤリティです。フランチャイズのロイヤリティの支払い方法には3種類があります。
売上歩合方式
売上歩合方式は、売上の何%かをフランチャイズ本部に収める支払い方法です。歩合制なので、売上が多ければ多いほど多く取られるイメージです。一方で、少ない売上ならロイヤリティが少なく済むので、フランチャイズに加盟した直後は経営的に助かるでしょう。売上歩合方式を採用するフランチャイズ本部が多いです。
粗利分配方式
粗利分配方式は、予め加盟店の粗利に対して何%かをフランチャイズ本部に収める支払い方法です。粗利に対する割合をロイヤリティとして支払うので、フランチャイズに加盟した直後の加盟店でも無理なく支払うことができます。
定額方式
定額方式は、毎月、定額をロイヤリティとしてフランチャイズ本部に収める支払い方法です。定額なのでフランチャイズに加盟した直後でも支払いが発生してしまいます。無理のある支払いになるリスクが生じます。
ロイヤリティの消費税について
ロイヤリティを支払う時の消費税はどうなるかというと、ロイヤリティには消費税が課税されます。
ロイヤリティの相場
フランチャイズにおけるロイヤリティの相場はいくらくらいなのでしょうか?コンビニ・カフェ・学習塾等の3つに分けて解説していきます。
コンビニ
コンビニは、ロイヤリティの相場が高い傾向にあります。例えば、オーナーが土地も店舗も用意する場合、ロイヤリティは粗利の30~40%ほどかかります。また、フランチャイズ本部が土地・店舗を貸す場合は、ロイヤリティは売上の50~70%ほどかかります。自前で土地・店舗を用意しないと、ロイヤリティの金額が高くなってしまうことを意味します。
カフェ
カフェは、ロイヤリティが売上の3~10%となります。
学習塾
学習塾は、ロイヤリティが授業料の10~30%となります。生徒の人数についてロイヤリティを払う方式もあります。
まとめ
ロイヤリティは、忠実・忠誠を意味するもの、権利使用料を意味するものの2つの意味に分かれます。会社への忠誠、ブランド商品への愛着、楽曲の権利使用料、そしてフランチャイズの使用料等というように使われます。フランチャイズのロイヤリティについては、本部への支払い方法が3つあり、ロイヤリティの相場も業界によってかなり違うことが分かりました。