SCM(サプライチェーンマネジメント)とは?構造・メリットを紹介

SCM(サプライチェーンマネジメント)の記事 経営戦略
顧客が購入した製品は、材料調達・製造・販売・配送といった一連の流れを経て手許に届きます。SCM(サプライチェーンマネジメント)は、製品が顧客に届くまでの流れを一元管理する経営管理手法のことです。SCMの構造やSCMを活用するメリットを解説していきます。

SCM(サプライチェーンマネジメント)とは?

SCM(サプライチェーンマネジメント)とは、製品を作り顧客に届くまでの一連の流れを管理することを言います。主に製造業で使われる経営管理手法です。

製品が顧客に届くまでの流れを管理すること

SCM(サプライチェーンマネジメント)は、製品の材料調達・製造・販売・配送を経て顧客に届くまでの流れを管理する経営管理手法を言います。サプライチェーンは製品が顧客に届くまでの流れを差す言葉です。サプライチェーンには複数の企業が関わっていますので、SCMによってそれらを一元管理し、業務プロセス全体を最適化することができるのです。最適化とは、必要な製品を必要なタイミングで必要な顧客に提供することを意味します。

SCM(サプライチェーンマネジメント)が必要な理由

なぜSCM(サプライチェーンマネジメント)が必要なのでしょうか?理由を説明していきます。

在庫管理がうまくできない

計画的に製品を生産したとしても、製品が必ず売れる訳ではありません。需要が落ちて在庫が残ることもあり得ます。逆に、想定しない位に需要が大きくなり、在庫が不足することがあります。自然災害のような外部環境によって、配送が遅れることも想定できます。その間に在庫が過剰になることもあります。

このように、生産計画はあくまでも当初の計画であって、需要や外部環境によって柔軟に変えていく必要があるのです。しかし、サプライチェーンの各プロセスを個別に管理していると在庫管理がうまくできません。SCMにより各プロセスを管理して全体最適を目指していけば、適切な在庫量を確保することができます。

余剰コストが見えにくい

在庫管理がうまくできなかったり、顧客のニーズを的確に把握できなかったりすると、余剰コストが発生します。余剰コストの発生をできるだけ最小に抑えること、余剰コストを顕在化させることが必要となります。SCMによってサプライチェーンの各プロセスを管理しておけば余剰コストの最小化・顕在化が可能となります。

労働力が減少している

経済産業省「製造業における人手不足の現状および外国人材の活用について」と題されたレポートによれば、94%の大企業・中小企業において人手不足を感じていることが分かっています。また、32%の企業に至ってはビジネスにも影響を受けているということでした。日本の労働力の減少についてはつとに言われていること。製造業の担い手の減少については深刻であることが分かります。

製造業で人手不足が生じるということは、サプライチェーンを管理するには人材の属人的な力では対応しきれないことを意味します。人の力ではなく、仕組みによって管理しなくてはならないので、SCMが求められるのです。

グローバル化に対応したい

グローバル化により、企業は国内の顧客だけではなく、海外の顧客に対して製品を届けることが当たり前となりました。国内のビジネスと違いグローバル化によって、サプライチェーンはどのように変わるでしょうか?例えば、デジカメを生産・販売している日系メーカーを例に考えます。このメーカーはベトナムの工場で製品を生産し、米国に製品が送られ、米国の家電量販店でカメラを売っています。

生産される工場はベトナム、製品を買う市場は米国ということで、製品の材料調達・製造・販売・配送の流れには複数の国が絡んできます。従って、必要な製品を必要なタイミングで必要な顧客に提供するためには、国内よりも在庫管理や販売管理に気を配らなくてはならない訳です。グローバル化によっても、SCMは重視されるゆえんです。

ビジネスモデルの変革が求められている

IT技術の進展により、顧客の嗜好やニーズを的確に推測・把握できるようになりました。既存のやり方で顧客に生産・販売・配送するだけではなく、IT技術を駆使したビジネスモデルの変革が求められているのです。ビジネスモデルの変革によって、顧客のニーズを予め予測して材料調達しておくことができますし、顧客の潜在的なニーズを掘り起こして販売に繋げることもできるようになるでしょう。そのために、SCMのような経営管理手法は必要とされます。

SCM(サプライチェーンマネジメント)の構造について知りたい

SCMの構造について知るために、各セクションの役割を確認していきましょう。

営業部門

営業部門は、顧客のニーズを推測し販売計画を立案します。ただしマーケティング部門がある場合は、顧客のニーズ推測・把握をマーケティング部門に任せ、その情報を元に販売計画を立てることになります。また、営業部門は製品が受注されたら受注管理もしておく必要があります。

生産管理部門

生産管理部門は、販売計画に基づいて生産計画を立案します。販売計画により購買・資材部門に資材購買・仕入計画を立ててもらいます。また、工場部門には製造を始めるよう依頼します。

購買・資材部門

購買・資材部門は、資材購買・仕入計画の立案や資材・仕入品の発注を実行します。資材・仕入品が届いたら工場部門に渡します。

工場部門

工場部門は、生産管理部門の依頼の元に製造を実行します。製品が完成したら販売・配送ルートに繋げます。

各セクションの役割は以上の通りです。必要な製品を必要なタイミングで必要な顧客に提供するために、サプライチェーン全体を一元管理するのがSCMです。

SCM(サプライチェーンマネジメント)を導入するメリット

SCMを導入するとどんなメリットがあるか、4つのポイントで解説します。

余剰在庫を減らせる

SCMを導入すれば必要なタイミングで必要な顧客に製品を供給することが可能です。従って、在庫を最小限に抑えることができ、結果的に余剰在庫を減らすことができます。

市場分析が可能になる

SCMを導入すると、顧客ニーズに合わせて生産計画・生産・販売・配送・納品することとなります。自社製品がどの程度、市場に受け入れられているのか、どういう製品に需要があるのか、市場分析が可能になります。市場分析ができれば、売れる製品の生産量を増加させ、イノベーションに繋げることもできます。

需要の急激な変動に対応できる

SCMを導入することで余剰在庫を減らし、適正な在庫管理ができるようになりますから、需要の急激な変動に対応できます。需要が増大しているのに欠品に陥り、顧客に不満を感じさせることにはなりません。

人的資源を活用できる

SCMは人材に依存する仕組みではありません。SCMを導入することで、人的資源を適切に活用し、適材適所で人員を配置することができます。SCMは製品の材料調達・製造・販売・配送等の各セクションを可視化します。従って、需要が大きいセクションに人員を増大し、需要が小さいセクションから人員を引き上げるマネジメントができるのです。

SCM(サプライチェーンマネジメント)の成功事例

SCMの成功事例を2社紹介していきます。SCMを具体的に推進しているか参考にして下さい。

トーハン

株式会社トーハンは、TONETS NETWORK(トーネッツネットワーク)を構築しSCMを推進しています。トーハンでは書店向けシステムTONETS V、出版社向けシステムTONETS iを作り、出版社・書店・読者を繋いでいます。これらシステムを仕入部門・営業部門・物流部門と連携することで、読者への書籍の供給スピードを高めているのです。

花王

花王株式会社は、SCMを通じて市場の需要に応じて製品を必要なタイミングで送り届ける仕組みを構築しています。花王は、全国8工場で生産された60ブランド1,500アイテム超の製品を受注後24時間以内に納品できる仕組みがあります。製品は国内の物流拠点に集められて在庫管理されていますから、スピーディに供給することができるのです。

まとめ

SCM(サプライチェーンマネジメント)は製品が顧客に届くまでの流れを管理する経営管理手法で、必要な製品を必要なタイミングで必要な顧客に提供するためにサプライチェーンを一元管理しています。