コンプライアンス違反とは?意味・違反事例・対応策を解説

コンプライアンス違反の事例 経営戦略
コンプライアンス違反は企業が守るべき法令を遵守できなかったことを意味する言葉です。コンプライアンスに違反すると顧客の離反や業績悪化、酷い時には倒産することも。コンプライアンス違反の違反事例や対応策を解説していきます。

コンプライアンス違反とは?

コンプライアンスという言葉を聞いたことがあるでしょうか?コンプライアンスとは法令遵守と訳されます。コンプライアンスにより、企業は国の法令を守って活動していくことが求められています。法令遵守という訳語がありますが、日本ではコンプライアンスという言葉が浸透しています。

それではコンプライアンス違反とは何かというと、企業が法令を遵守することができなかったことを意味します。

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コンプライアンス違反が注目される背景

コンプライアンス違反が注目される背景として、企業が法令を守れなかったことにより倒産した事例があったことが挙げられます。有名な事例は米国のエンロン事件ですね。エンロン事件とは、2001年10月に、エネルギー会社のエンロン社が不正会計を行い、決算上で利益を水増ししていたことが明かされ2001年12月に経営破綻に追い込まれた事件です。

売上高11兆円の巨大企業であるエンロン社が倒産したことで、米国ではコーポレートガバナンスが注目されるようになりました。コーポレートガバナンスは、企業は株主や利害関係者の利益を最大化するために、また、企業の不祥事を防止するため、社外取締役や社外監査役等によって経営を監視する仕組みです。コンプライアンスは、コーポレートガバナンスの基本原則とされています。

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コンプライアンス違反の怖さ

コンプライアンスに違反すると企業にとってどれほどのデメリットがあるのか、コンプライアンス違反の怖さを解説していきます。

社会的信頼の失墜

コンプライアンスに違反すると社会的信頼が失墜します。エンロン社は不正会計を行い、利益を水増ししたことで、社会からの不信を招きました。エンロン事件が発生したのは2001年10月のことでしたが、経営破綻したのは、そのわずか2か月後の2001年12月でした。

組織ぐるみでコンプライアンスに違反していたことが明らかになると、株主、顧客、取引先からの信頼を失い、コンプライアンス違反の規模が大きければ大きいほど、社会的信頼を回復することはできなくなるのです。

顧客の離反

コンプライアンスに違反すると、顧客の離反を招きます。顧客の離反の反対語として顧客の信頼、すなわちロイヤリティ(愛着)がありますね。企業が顧客のロイヤリティを獲得することができれば、顧客は継続的に企業の製品・サービスを消費してくれるでしょう。しかしコンプライアンス違反により顧客の離反を招くと、継続的に企業の製品・サービスを消費してくれなくなるのです。

顧客の離反を招いた企業は売上や利益を減少させ、業績悪化に陥ります。企業としての誠実さを取り戻すために、販促活動や人材開発、マーケティング等に多くの投資を行わなくてはならなくなります。投資の方向性を誤るとさらに業績悪化が拡大することになるでしょう。

コンプライアンス違反で倒産することがある

エンロン事件を事例に出したように、コンプライアンス違反で倒産することがあります。倒産するということは企業の手元に資金がなくなることですから、社会的信頼の失墜や顧客の離反が影響して、業績悪化を招いて、最後は倒産するということです。コンプライアンスをおざなりにしておくと、企業は生き残っていけません。

コンプライアンス違反事例5選

コンプライアンスに違反した企業はどうなってしまうのか、事例を元に説明していきます。

コンプライアンス違反事例①【東洋ゴム事件】

2015年、国土交通省の調査により、東洋ゴム工業が製造した建築用の免震ゴム部品に性能データの偽装があったことが判明しました。東洋ゴム工業の子会社が大阪地検に起訴されました。

公判の中で、国土交通省から不正に認定を受けた製品を製造していたこと、生産部門から不正が報告されていたのに製品を製造し続けていたことが明らかになりました。判決の結果、子会社には1,000万円の罰金が科され、子会社が偽装製造していた事業は売却することになりました。

コンプライアンス違反事例②【船場吉兆事件】

2007年、大阪の高級料亭船場吉兆は、賞味期限の偽装・地鶏の産地偽装・客の食べ残し再利用等、数々のコンプライアンス違反を引き起こしました。船場吉兆は、これらコンプライアンス違反により業績を悪化させ、2008年に廃業しています。

コンプライアンス違反事例③【三菱自動車事件】

三菱自動車は、2000年に起こったリコール隠しにより、2002年に車両の死亡事故を引き起こしました。死亡事故を引き起こした三菱自動車の関係者は、業務上過失致死傷罪による有罪判決を受けています。

さらに三菱自動車は、2005年にもリコール隠しを起こし、国土交通省から改善指示を受けました。2016年には自動車の燃費を改ざんして国土交通省に提出していたことが発覚。現在では日産自動車・ルノー連合の傘下に入っています。

コンプライアンス違反事例④【電通事件】

大手広告代理店の電通は、2015年に新入社員が過労死自殺するというコンプライアンス違反を発生させました。新入社員は、月100時間を超える時間外労働と上司からのパワーハラスメントによって精神障害を発症させ、労災認定されています。

裁判では、2014年度において電通が1,400名前後におよぶ従業員に対して、労使協定を超える違法残業をさせていたことが指摘されていました。電通事件はメディアでも大きく報道されたため、記憶に新しいコンプライアンス違反の事例ですね。

コンプライアンス違反事例⑤【ベネッセコーポレーション事件】

2014年、通信教育大手のベネッセコーポレーションは顧客情報流出事件というコンプライアンス違反を引き起こしました。流出した顧客情報は3,500万件と膨大で、ベネッセコーポレーションは顧客の離反によって業績が悪化、2015年3月期決算で赤字に転落しました。

コンプライアンス違反の対応策

コンプライアンス違反が発生した時、企業はどのような対応策を講じれば良いでしょうか?4つのポイントで解説します。

経営者が自ら指揮を執る

コンプライアンス違反が起きた時、メディアの報道の有無にかかわらず、経営者が自ら指揮を執ることが大切です。法務部に責任を丸投げしていると、社内に危機感が出ませんし、スピード感を持ってコンプライアンス違反に対処することができません。「コンプライアンス違反を起こしたのに経営者は無関心なのか?」と思われると、株主や利害関係者、顧客からの信頼を失います。

調査を迅速かつ丁寧に実施する

コンプライアンス違反が起こった時、原因究明や問題の全容について迅速かつ丁寧に調査します。コンプライアンス違反にかかわるメディア対応、ステークホルダーへの対応に追われ調査に取り掛かるのが遅くなると、違反の全容や原因が判明するのがどんどん遅くなってしまいます。早急に、丁寧に調査を実行します。

被害者がいる場合は早急に謝罪を行う

コンプライアンス違反を引き起こしたことがきっかけで被害者が出た場合、早急に謝罪を行います。コンプライアンス違反が怖いのは、酷い時には倒産するケースがあること。被害者に早急に謝罪できない企業に対して、顧客が不信感を抱いて離反し、また、取引先も手を引くようなことになると業績悪化を招き倒産の憂き目を見ないとも限りません。早急に、被害者には謝罪を行います。

就業規則に則り適切な懲戒を行う

コンプライアンス違反を調査する過程で、故意にコンプライアンス違反を招いた従業員がいた場合、就業規則に則り適切な懲戒処分を行います。懲戒処分を行う時にもコンプライアンス違反にならないよう、懲戒の手順をしっかり踏んで下さい。

まとめ

エンロン事件をきっかけに注目されたコンプライアンス。コンプライアンス違反を起こすと、ステークホルダーから信頼を失い、顧客の離反や業績悪化、倒産を引き起こすリスクがあります。コンプライアンス違反の事例も紹介しましたので、いかにコンプライアンス違反が怖いかが理解できたと思います。コンプライアンス違反を起こした時の対応策も参考にして下さい。

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