経営力向上計画とは?提出先・メリット・認定までの流れ・注意点を解説

経営力向上計画の記事
大手企業のように資金力がない中小企業に対して、国は経営力向上計画を通じた支援を行っています。中小企業が経営力向上計画を行政に提出することで、優遇税制や低金利融資等のメリットを受けることができるのです。記事では、経営力向上計画の概要、提出先や様々なメリット、経営力向上計画が認定されるまでの流れや注意点について解説します。
目次

経営力向上計画とは?

経営力向上計画の意味について解説します。

中小企業が経営力向上を目指して作る計画書

経営力向上計画は中小企業が経営力向上を目指して作る計画書のことをいいます。中小企業が経営力向上計画を策定すると優遇税制等のメリットを受けることができます。

経営力向上計画の申請書はシンプルにできており、策定しやすい特徴があります。記載事項は以下のような内容です。

・会社概要(住所、社名、代表者名)
・事業分野と事業分野別指針名
・実施時期
・現状認識
・経営力向上の目標及び経営力向上による経営の向上 の程度を示す指標

中小企業を支援するための国策

経営力向上計画の制度化についてもう少し詳しく説明しましょう。2016年7月に中小企業等経営強化法が施行され、経営力向上計画が制度化されました。中小企業は大企業のように資金力がありませんから、国が中小企業の経営力を支援する必要があります。そこで経営力向上計画を提出した中小企業に対して優遇税制や低金利融資による支援を行うのですね。

経営力向上計画の対象となる中小企業は次の通りです。1.もしくは2.のどちらかで判断されます。

1.資本金が10億円以下の企業
2.従業員が2,000人以下の企業

中小企業に該当する法人形態は、会社の他に個人事業主・企業組合・協業組合・一般社団法人・医業を主たる事業とする法人・歯科医業を主たる事業とする法人等です。

経営力向上計画が認定されるまでの期間

経営力向上計画が認定されるまでの期間は、計画策定・行政への提出を行った後、1か月くらいの期間を要します。

計画書を初めて作成する時は作成に時間を要することもありますから、認定経営革新等支援機関からサポートを受けることも検討してみましょう。認定経営革新等支援機関は計画書作成のサポートだけでなく、認定取得から計画実施までのサポートを受けることも可能です。

経営力向上計画の提出先

経営力向上計画の提出先は事業によって異なっています。

事業によって提出先が異なる

経営力向上計画の代表的な事業の提出先は次の通りです。

・農林漁業:農政局長
・建設業:地方整備局長
・製造業(一般):経済産業局長
・製造業(医薬品):厚生局長
・情報サービス業:経済産業局長
・貨物自動車運送事業:運輸局長
・不動産業:地方整備局長

提出先は中小企業庁のHPで確認できる

上記は主な事業の提出先についての説明です。実際の提出先については中小企業庁公式ホームページ内にある経営サポート「経営強化法による支援」をご覧下さい。

経営力向上計画を提出するメリット

中小企業が経営力向上計画を作成・提出することで、優遇税制を初めとしたメリットがあります。具体的な中身について解説しましょう。

優遇税制が適用される

中小企業が設備や機械、ソフトウェア等の設備投資を行う時、経営力向上計画を作成・認定を受けることで優遇税制が適用されます。優遇税制では次のどちらかを選ぶことができます。まず、取得価額の10%の税額控除を受けることができるという優遇税制。あるいは、設備を取得した時に全額を経費として計上できる優遇税制のいずれかを選ぶことができるのです。

優遇税制には固定資産税の軽減措置もあります。中小企業が持っている機械装置に対して課される固定資産税(償却資産税)が3年間に限り1/2に軽減されるのです。

所得拡大促進税制がさらに優遇される

所得拡大促進税制は2013年から始まった制度で、中小企業の従業員の賃金アップを目指した優遇税制となります。所得拡大促進税制は従業員の賃金を上げた場合、額に応じて法人税を控除するという制度です。

経営力向上計画の認定を受けた上で経営力向上に努めた企業は所得拡大促進税制がさらに優遇され、対前年度で当年度において増加した賃金総額の25%の税額控除となります。

政府系金融機関から低金利で融資を受けられる

経営力向上計画の認定を受けている企業は、日本政策金融公庫により低金利で融資を受けることが可能。商工中金からも低金利で融資される場合があります。

補助金申請がやりやすくなる

補助金申請を行う際、経営力向上計画の認定を受けている企業は、補助金の採択審査で加点ポイントになる場合があります。加点ポイントになるのはものづくり補助金等です。

経営力向上計画が認定されるための流れ

経営力向上計画に認定されると様々なメリットを受けられることが分かりました。実際、経営力向上計画はどのように認定されるのでしょうか。

計画を策定する

経営力向上計画を策定する前に、該当する事業分野を確認して下さい。事業分野を確認する理由は事業分野別指針に基づいて経営力向上計画を策定するからです。事業分野を確認した後、経営力向上計画を策定しましょう。

自社の事業に応じた提出先に提出する

経営力向上計画の策定後、自社の事業に応じた提出先に提出します。提出先は、前述の通り、建設業なら地方整備局長、製造業(一般)なら経済産業局長という流れです。

認定されると認定書が郵送される

経営力向上計画が認定されると認定書が郵送されてきます。前述の通り認定までの期間には1か月程かかります。

経営力向上計画策定にあたっての注意点

経営力向上計画策定にあたっての注意点を解説します。

期日に注意する

設備投資に関する経営強化税制(優遇税制)の適用を受けるには期日に注意して下さい。経営強化税制の適用を受けるには「その設備投資が経営力向上に資すること」について証明する必要があります。証明の仕方は以下の2通りです。特にB類型の場合に、期日に注意する必要があります。

1. 工業会証明書の取得(A類型)
2.自社が投資計画を策定することによる証明書の取得(B累計)

A類型で対象となる設備は工場会で定められた特定の設備となります。A類型の場合は工業会に予め証明書を申請しておいて下さい。

B類型で対象となる設備は、工場会で定められていないモデルの設備も対象となります。また、B類型では建物附属設備も対象となる場合があり、A類型よりも設備の範囲は広いです。ただし、B類型の場合は、投資計画を経済産業局から確認してもらわなくてはなりません。確認に必要な書類を用意するためには時間を要しますので、認定時期に間に合うように書類を用意できる期日には注意して下さい。

認定時期に注意する

経営力向上計画の認定時期に注意して下さい。経営力向上計画の認定は事業年度末までに終えなくてはなりません。一方で、経営力向上計画の認定期間には1か月かかりますから、認定時期を逆算して申請を行わないと経営強化税制に間に合わなくなるリスクが生じます。

まとめ

経営力向上計画は大企業に比べて資金力に見劣りする中小企業を支援する国の制度です。優遇税制や低金利融資等のメリットを受けることができるので、中小企業は是非とも利用したいところです。経営力向上計画により、所得拡大促進税制や補助金申請についても優遇されるメリットがあります。経営力向上計画の策定に悩む場合は、認定経営革新等支援機関からのサポートを受けることもできます。

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