一元管理とは?意味・メリット・デメリット・活用法・種類を解説

一元管理の記事 経営戦略
一元管理とは分かれているものを1つに統合することを意味する言葉です。企業における一元管理が大きな効果を持つのは経営資源を一元管理する場合。記事では経営資源を一元管理することに焦点を当てて、メリット・デメリット、活用法について解説します。

一元管理とは?

一元管理とは、分かれているものを1つに統合することを意味する言葉です。ビジネスでは、複数の部署で使っていたシステムを統合したり、データをまとめたりする時に一元管理という言葉を使います。特に、企業において一元管理が大きな効果を持つのは経営資源を一元管理する場合になります。

経営資源を一括で管理する

経営資源には以下の4つがあります。

1.ヒト
2.モノ
3.カネ
4.情報

ヒトとは人材のことで企業が管理できる全ての人材をいい、直接雇用している従業員を指します。モノは製品やサービス、それらを生み出す設備をいいます。カネは資金のことで、企業を運営するために活用するお金です。情報はデータやノウハウのことをいいます。経営資源によって企業は組織を維持し、事業を拡大することができます。

経営資源の中でも最も重要なのがヒト(人材)。人材はモノを作り、情報を活用して事業を推進し、カネを生み出します。人材がいなければモノはできませんし、情報も活用できず、結果的にカネも生み出せず、企業はなりたちません。人材を一元管理することで、企業は人材マネジメントを効率的に行うことができます。

経営資源を一元管理することで、経営者は事業運営のために効率的に意思決定ができ、経営ビジョンの実現を目指しやすくなります。また、働きやすい環境を整え、労働生産性を高める制度構築を進めることもできるので、従業員にとってもメリットがあります。

一元管理の目的

一元管理の目的は効率化です。バラバラに分かれていたものを1つに統合すれば、ムダを省き、経営資源を必要なところに必要なだけ、効率的に投入することが目的です。

一元管理のメリット

一元管理のメリットを解説します。

コスト削減になる

経営資源を一元管理すればコスト削減になります。複数の事業所ごとに分かれていた会計システムを本社に一元管理することで、事業所の経理スタッフの人件費を削減できます。また、在庫管理と販売管理を一元管理すれば、ムダな在庫を抱えずに済むため作業効率が高まり、在庫費用の削減に繋がります。

業務効率化になる

経営資源の一元管理には業務効率化のメリットがあります。営業パーソンが個々に活用してきた商談履歴を一元管理すれば、他の営業パーソンが顧客に訪問する時に活用できます。商談履歴の中に営業が受注するためのヒントが隠されていれば、営業ノウハウを全社的に活用することにも繋がり、業務の効率化に繋がっていきます。

新規事業の創出に使える

経営資源の一元管理によって新規事業の創出に使えます。新規事業には資金がかかります。一元管理により全社的なお金の流れが可視化されていれば、ムダなく資金を投資することも可能。新規事業の創出に設備が必要になっても、モノを一元管理しているので新規事業の創出が実現に近づきます。

人材の適材適所に使える

経営資源を一元管理していれば人材を適材適所に配置しやすくなります。適材適所とは適切な人材を必要な組織に配置すること。一元管理により、人材ごとに社歴や人事評価、仕事内容、エンゲージメントを把握しておけば、例えば「経営企画室に配置すべき人材はAさんが適当だ」ということが分かるでしょう。

優秀な人材を育成できる

優秀な人材を育成できるのも一元管理のメリットです。一元管理により人材のデータを集約しておくと、企業の優秀人材像に向けて個々の人材がどれだけ育っているかが分かります。育成スピードが遅い人材に対しては、必要な研修を受けさせたり、配置転換に活用したりすることにも一元管理は使えます。

一元管理のデメリット

メリットがある一方で一元管理にはデメリットがあります。システムを使う場合にデメリットが見られますので、システムを使った場合の一元管理のデメリットを解説します。

一元管理によって複雑化する

一元管理の方法は様々ですが、システムを活用する場合は一元管理によって複雑化します。システムは便利な一方、管理する対象が増えれば増えるほど、操作が複雑となりシステムを活用するために労力を使います。効率化のために一元管理したのに、これでは本末転倒です。

コストがかかる

一元管理をシステムにする場合、コストがかかることもデメリットです。一元管理システムで扱うデータが多くなり、用途が多岐にわたれば、システムも高性能化し、結果として価格も高くなります。コストメリットを考えながら、システムを導入したいところですね。

一元管理を活用するには?

一元管理のメリット・デメリットを見てきたところで、活用するポイントを確認しましょう。

一元管理の目的を社内で共有する

一元管理を使用するのは誰でしょうか?一元管理を活用する時は、一元管理を行う従業員の立場に立って考える必要があります。特に一元管理システムを導入する際は、一元管理の目的を社内で共有しておかないと失敗します。

システムを活用する従業員にとって、メリットがなかったり使いにくかったりする一元管理システムでは意味がないからです。システムを導入する前にシミュレーションを行って社内の意見を吸い上げておき、システムを使う従業員が使いやすくメリットがあるシステムを導入しましょう。

一元管理で集めた情報を使いやすくする

一元管理で集めた情報を使いやすくすることも、一元管理を活用するポイントです。システムを「使う」「使わない」を問わず、一元管理で集めた情報が分かりやすくまとまっていれば、経営者にも従業員にもメリットがあります。

例えば新規事業の創出に一元管理を使いたいと思う時、お金の流れが一目で分かるように一元管理システムが作られていないと活用できませんね。経営者が情報を見た時に「必要な資金は足りているのかが分からない!」と思ってしまうような一元管理では困る訳です。

一元管理を扱う従業員が使いやすく、意思決定を行う経営者が見ても分かりやすいアウトプットが出てくる一元管理にしていきましょう。また、一元管理システムにする場合は業者に「情報の使いやすさ」を要望しておくと良いでしょう。

自社に合った一元管理システムを選定する

一元管理システムを導入する時は、自社に合ったシステムを選定することがポイントです。

自社に合うシステムかどうかを判断するには、事前に一元管理システムで実現したいことをリストアップしておくと良いです。リストアップしたものを全て満たすシステムの価格、妥協できる項目を削ったシステムの価格を参照し、妥協点を探って自社に合うシステムを選びましょう。

一元管理の種類について

一元管理を2種類、紹介します。

顧客の一元管理

顧客を一元管理することで、顧客1人ひとりのニーズを把握し、あるいは顧客ごとの取引ルールを整理しておくと効率的な営業展開ができるようになります。また、顧客とのやり取りの履歴を常に見られるようにしておくと、顧客に対して提案しやすくなるでしょう。顧客の一元管理をしておけば、顧客とのやり取り履歴も参照可能になります。

人材の一元管理

人材の一元管理は、採用や労務、人材開発と対象が多岐にわたります。採用なら、一元管理を行うことで、求職者の情報が直ぐに取り出せたり、選考の過程で求職者同士を比較したり、採用を効率的に進めることが可能です。

また、人材の一元管理を行うことで優秀な人材を退職させず、自社に引き留めることができます。『人材定着のマネジメント』の中で経営学者の山本寛氏は、リテンション(人材の定着)効果がある施策として以下のものがあると述べています。

・現実的職務予告(採用において入社前に職務内容を告げておくこと)
・内部昇進
・給与の高さ
・労働時間の短さ
・職務充実、職務拡大

リテンション効果のある施策を講じる時にも、人材の一元管理を行っていれば、自社に何が足りていて不足しているのか、どのように打ち手を講じていけば良いのかが分かるようになります。

まとめ

一元管理は、経営資源を一括で管理する時に大きな効果を持ちます。ヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源を一括管理し、効率的な企業運営を目指します。