ステマとは?意味やステマの基準・事例・防止策を紹介

ステマの記事
ステマは、SNSの発展で消費者と企業とのやり取りが増えるに従い企業が回避すべきリスクです。ステマが発覚すると企業アカウントが炎上しやすくなり、企業に悪いイメージが付いてしまいます。ステマの基準やステマの事例7選、そしてステマを防止するために有効な対策を紹介します。
目次

ステマとは?

ステマはステルスマーケティングを意味するマーケティング上の問題です。ステマにはいくつかの種類、企業がステマをしてしまう理由、なぜ問題なのかについて確認しましょう。

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ステマの意味、種類

ステマは、宣伝であることを消費者に明かさずに製品・サービスを広告する手法をいいます。ステルスマーケティングのステルスは、相手に見つからないように身を隠すという意味があり、「宣伝であること」を隠しつつ、広告してしまうことにステマの問題性があります。

ステマには主になりすまし型、利益提供型の2種類があります。なりすまし型は、製品・サービスを提供している企業が消費者になりすまして、SNSやブログなどで口コミを好意的に書き込んでいくものです。

また、インフルエンサーや芸能人など、インターネット上で影響力を持つ人に企業がお金を払って広告を依頼することがあります。広告の依頼自体は問題ではありませんが、消費者に「広告であること」を伝えなかった場合、利益提供型のステマとなります。

企業がステマをする理由

ステマをするとネットで炎上し、マスコミにも報道されてしまいます。それにもかかわらず企業がステマをする理由は、ネットの口コミの効果が高いためです。企業の製品・サービスの紹介ページや記事を読んで購入する消費者もいますが、ネットで口コミを確認してから購入に踏み切る消費者もいるのです。

口コミによって消費行動を決めている消費者であればあるほど、口コミを重視します。自分の消費行動を振り返ってみましょう。例えばパソコンを買いに行った時に、店員の勧めるままにパソコンを買うでしょうか?ネットの口コミを確認して納得した上で買いませんか?製品のことがよく分からない時に口コミは購入の参考になります。ですから、企業は口コミの効果を高めるべく、問題だと分かっていながらステマをしてしまうのです。

ステマはなぜ問題か

ステマが問題である理由は以下の2点です。

1.消費者が正しい判断を下せない
2.業界への不信感になる

企業が消費者になりすまし、自社製品を褒めていたらどうなるでしょうか?なりすました消費者が多いほど、消費者は正しい判断を下せなくなります。なぜなら、口コミを信用する消費者は、「たくさんの消費者が良いといっている製品なら買いたい」と思ってしまうからです。消費者が実際に利用した上で製品を褒めるのではなく、企業が自社製品を買って欲しいという欲求から口コミをしてしまう点に問題があるのです。

ステマが発覚すると業界への不信感にも繋がるため問題です。ステマが発覚するとネットで炎上するため、消費者の記憶に残り、業界全体への不信感にも繋がります。

ステマの基準について

知らず知らずのうちにステマをしてしまうことがないよう、企業はステマの基準を知っておくことが必要です。

消費者になりすます

消費者になりすます広告はステマの代表例です。口コミの効果を重視する余り、消費者になりすまして口コミをしてしまわないよう気を付けたいところです。

インフルエンサーを利用する

インフルエンサーや芸能人に依頼して、製品・サービスを宣伝してもらうこと自体は問題ありません。問題はインフルエンサーに対して宣伝でないことを隠して広告してもらうことです。

製品の利用経験がないインフルエンサーが「製品を愛用している」とSNSで書けば、消費者は製品の内容を誤認し、あたかも良い製品であるかのように錯覚してしまいます。また、インフルエンサーや芸能人の画像や発信を無断に利用することもステマとなります。

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高評価や低評価を連投する

ECサイトにはランキングが表示されています。消費者の消費行動には、ランキングを見て購入を決めることがあります。自社製品に高評価を連投したり、ライバル企業の製品に低評価を連投したりする行為はステマとなります。本来、消費者は自由意志で購入の可否を決めるものです。しかし、企業がランキングを恣意的に操作すれば、消費者の意思決定の自由を奪ってしまいます。

ステマの事例7選

ここからはステマの事例を7つ紹介していきますので、ステマとはどんな問題点があるのかを具体的に確認しましょう。

食べログ事件

2012年、飲食系の口コミサイト食べログにて、お金を受け取った業者が飲食店に高評価を連投した事件です。食べログは5点満点で評価されるシステムで、高評価を連投されればランキングが上がり集客力に繋がります。消費者はランキングが高い飲食店に行こうとしますから、このようなステマは消費者の購入の自由意志を阻害していることになります。

アナ雪2事件

2019年、大ヒットアニメ映画『アナと雪の女王2』を見た複数の漫画家が映画の感想をTwitterに投稿。漫画の出来が良過ぎたことから「ステマではないか?」と疑惑が浮上した事件です。結果的にウォルトディズニージャパンは、Twitterの漫画は宣伝行為であったことを認めることに。

ペニーオークション事件

オークション運営会社が芸能人を利用し、オークションサイトをあたかも利用経験があるかのように装って宣伝させたのがペニーオークション事件です。芸能人は「低価格で落札できる」とブログで宣伝しましたが、実際にはオークションサイトを利用していませんでした。日本にステマの問題性について広く知らしめる事件となりました。

バイク王事件

バイク王事件は、2011年に、バイク買取比較サイトを利用したステマ事件です。複数の買取業者からバイクの査定ができるように見せかけていましたが、実際に査定しているのはバイク王だけでした。バイク王は自社の買取が有利に運ぶようにステマを行っていたのです。

Dr. Pepper/7up事件

Dr. Pepper/7up事件は、2003年に起こった事件です。ミルク飲料のRaging Cowについて、販売元のDr. Pepper/7upが6人の有名ブロガーに依頼してプロモーションを開始。しかし、ブロガーには自社との関わりを隠すように指示したのです。結果的にブログの投稿が不自然だったことでステマであることが発覚し、Dr. Pepper/7upのブログやサイトが閉鎖される事態にまで追い込まれました。

Xbox One事件

2014年、マイクロソフトが起こしたステマ事件はゲーム機Xbox Oneに関するもの。事件の概要は、YouTubeに30秒以上のXbox Oneの使用動画を投稿すれば謝礼がもらえるというものでした。Xbox Oneはソニーのプレイステーション4とシェア争いに勝利するため、このようなステマ事件を引き起こしたと考えられています。

ウォルマート事件

2006年、アメリカのスーパーマーケット店・ウォルマートが起こしたのは、ブログを活用したステマ事件です。ウォルマートはブログを使ってウォルマートを称賛する記事を執筆。しかし、実態はPR会社が作成したブログで、ステマであったことが判明しました。

ステマを防ぐために有効な対策とは?

企業イメージを損ない、消費者の自由意志を奪ってしまうステマ。ステマを防ぐため、ステマ基準やステマの事例を知るとともに企業ができる対策を理解し、自社がステマに陥らないよう努めていきましょう。

マーケティングルールを見直す

インフルエンサーに口コミを依頼する宣伝行為は、インフルエンサーの消費者への影響力を考えればマーケティングの選択肢として重視するべきでしょう。しかし、宣伝行為であることを消費者に伝えなくてはステマになってしまいます。

ステマを防ぐためには自社のマーケティングルールを見直すことが大切。WOMマーケティング協議会では、口コミ活用のガイドラインを設定しています。ガイドラインに沿ってマーケティングルールを見直せばステマ防止の対策になります。

ガイドラインで挙げている企業とインフルエンサーとの関係性を消費者に伝えること、消費者に提供する情報を偽装しないことなどがステマ防止に役立ちます。自社のルールに盛り込むことでステマにならずにインフルエンサーを有効活用することができるでしょう。

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ブランドコンテンツ広告を活用する

Instagramでは、ブランドコンテンツ広告が提供されています。インフルエンサーにブランドコンテンツ広告を使ってもらうことでステマ防止に役立ちます。

ブランドコンテンツ広告は、インフルエンサーと企業との関係性が消費者に一目で分かる仕組みです。そのため、企業はインフルエンサーの投稿が企業のPRであることを消費者に示しつつ、自社の宣伝ができるという訳です。

インフルエンサーを正しく選ぶ

企業がステマをしてしまうと消費者は正しい判断を下せませんし、業界への不信感にも繋がります。インフルエンサーとしっかりとコミュニケーションを進めて、ステマ防止への理解に努めてもらいましょう。なかなか理解してもらえないインフルエンサーは、いくら影響力があっても選んではいけないのです。

消費者もインフルエンサーがステマを行っていないかどうかを注視しています。インフルエンサーの選定には注意して下さい。

まとめ

SNSを使ったマーケティングが増えていく中で、ステマの問題性を知り、企業としてステマ防止の対策を講じることが重要です。口コミの効果を重視するあまり、ステマをしてしまわないよう企業はリスク管理を徹底したいところです。

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