マネタイズとは?意味・4つの種類・マネタイズ手法を解説

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マネタイズとは無収益サービスを収益化することを意味するビジネス用語です。アプリや広告、ECサイトで使われるので身近に感じられる用語です。マネタイズの意味、種類、マネタイズ手法について正しく理解していきましょう。
目次

マネタイズとは?

マネタイズはIT業界で使われるビジネス用語です。意味や使い方を確認しましょう。

無収益サービスの収益化

マネタイズは、英語のmonetizeを語源とします。元々は「通貨基準を定める」という意味でした。IT業界で使われるマネタイズは、無収益サービスを収益化することという意味で使われます。分かりやすいイメージとしては、YouTubeやポータルサイトの広告、オンラインゲームの課金モデルなどがあります。

どちらも入口は無料。しかし広告を見た消費者が商品を購入したり、基本プレイ無料のゲームで遊んだ消費者が課金したりすれば、企業の収益化に繋がります。マネタイズは、無料サービスを利用させつつ、消費者が「お金を払っても良い」と思うことで収益化するビジネスなのです。

マネタイズの使い方

例文を元にマネタイズの使い方を見てみましょう。

1.A社はアプリを通じて課金によるマネタイズ手法を確立した。
2.家を探している人と家を売りたい人を仲介し、マネタイズする方法を考えたい。

面白いアプリを開発しても、消費者が課金し、また、広告収入が見込めなければ収益化できません。1番目の例は、アプリを通じて消費者に課金してもらう仕組みを作り、マネタイズ手法を確立した例文です。2番目の事例では、家を探したり、物件をサイトに掲載したりする分には無料ですが、売買が成立すると手数料が発生するマネタイズ手法として使われます。

マネタイズの4つの種類

マネタイズには4つの種類があります。具体例を用いて解説します。

広告モデル

広告モデルとは、Webページや動画に広告を掲載し、広告を通じて消費者に製品・サービスを利用してもらうビジネスモデルのこと。広告モデルの例には、リスティング、バナー広告があります。リスティング広告を例に広告モデルを説明しましょう。

サーチエンジンで言葉を検索した際、上位表示されるサイトの中に「広告」が付いているサイトを見たことがあると思います。これがリスティング広告です。検索した人がリスティング広告をクリックすると広告を出稿した人に費用が発生します。検索によって広告が表示されるため検索連動型広告とも呼ばれます。検索した人が広告をクリックして製品・サービスを利用すれば、マネタイズになるというわけです。

課金モデル

課金モデルとは、アプリやオンラインゲームのサービス内で消費税に課金させるビジネスモデルのこと。基本プレイ無料のゲームアプリで遊んでいた消費者に「課金したい」と思わせることが課金モデルの仕組みです。例えば、クリアを容易にするためにレアな装備品を買うとき、追加シナリオを遊ぶときに課金させることでマネタイズするのです。

無料サービスの中で消費者に満足させてはマネタイズになりません。いかに課金したいと思わせるか、魅力的な有料サービスを打ち出せるかが課金モデルのポイントです。

ECモデル

ECモデルとは、Webサイト上で商品を売買させ手数料を受け取るビジネスモデルのこと。百貨店にアパレルメーカーが出展すれば、出展料として百貨店は手数料をもらいます。同じことをWeb上で行うのがECモデルのイメージです。楽天やAmazonが典型的なECモデルの成功例ですね。

サブスクリプションモデル

サブスクリプションモデルとは、Web上のサービスを利用することに対価を得るビジネスモデルのこと。定額でお金を払うことでサービスを利用できるのです。サブスクリプションは、モノを買って所有することではなく、「利用する」ことに価値を置いています。サブスクリプションにはVOD(ビデオオンデマンド)のNetflix、Photoshopのアドビなどが代表例として挙げられます。

仲介モデル

仲介モデルとは、Webを使って需給をマッチングさせるビジネスモデルのこと。不動産、駐車場、人材紹介、結婚など様々な分野で需要と供給のマッチングがあります。仲介モデルのマネタイズにはマッチングが成立したときに対価を受け取る成功報酬が一般的。

例えば駐車場の仲介モデルなら、情報を掲載したり駐車場を検索したりするだけでは対価を受け取れません。成功報酬ですから、「駐車場を貸す・借りる」というマッチングが成立したときに報酬がもらえる仕組みです。

マネタイズ手法のポイント

マネタイズの意味や種類について確認してきました。マネタイズをうまく進めるための手法のポイントについて、4つの種類ごとに解説します。

独自のコンテンツを充実させる

消費者が「買いたい」「利用したい」と思わせるには、独自のコンテンツを充実させることが大切です。広告モデルでいえば、リスティング広告を出稿してもサイトのコンテンツが貧弱なら購入や利用に繋がりません。

マネタイズの目的は無収益サービスを収益化することです。消費者はインターネットを使っても他社と自社を見比べています。どこかで見たようなコンテンツでは購入に結びつきません。報酬を得るために、他社にはない独自のコンテンツを充実させる必要があるのです。

顧客の「もっと欲しい」を獲得する

顧客が無料で満足しては報酬には繋がりません。アプリゲームで「他人との対戦に勝ちたい」「貴重なアイテムを集めたい」などと顧客の「もっと欲しい」を獲得することがマネタイズのポイントです。

顧客に所有ではなく利用の喜びを与える

サブスクリプションモデルは、買って所有するよりも顧客に利用の喜びを与えることで成功します。利用の喜びを与えるには顧客維持が原則です。サブスクリプションは容易に解約できる仕組みを取ることが多いので、「利用して良かった」と思ってもらうことが大切。

VODのNetflixが成功した理由には「利用が簡単」「好きなときに見られる」といったものの他に、「Netflixでしか見られないコンテンツの充実化」があり顧客に利用の喜びを与えています。解約したら他のVODでは見られないので、消費者に「利用して良かった」と感じてもらえるのです。

「悩みを持っている人」と「解決できる人」を結びつける

マネタイズ手法のポイントとして、悩んでいる人と解決できる人を結びつけることがあります。仲介モデルで用いられるポイントです。自社の経営課題を解決したいと考える経営者がいるとします。コンサルティング会社に依頼したいのですが、どこに頼んで良いか分かりません。そこで経営者とコンサル会社を仲介するサイトがあれば、経営課題に悩む経営者と、課題を解決できるコンサル会社を結びつけられるというわけです。

マネタイズ成功に役立つ思考

マネタイズに成功するために役立つ思考を2つ解説します。

ユーザーを見極める

マネタイズに成功するために、利用して欲しいユーザーを思い浮かべることが重要です。マーケティングにはペルソナという顧客像があります。ペルソナとは「理想的な顧客像」を意味します。20代男性というおおまかなイメージではなく、年齢・性別・住まい・職種・家族構成・嗜好などをイメージし、「こんな顧客に利用して欲しい」という顧客像を設定するのです。

ペルソナによってユーザーを見極めることで、次のようなメリットが得られます。

・コンテンツの充実化の方向性が見える
・課金させるための魅力を思いつける
・「利用して良かった」と思える仕組み・コンテンツを考えられる
・悩みを解決できるサイトの企画を作れる
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マネタイズ戦略を活用する

経営学者の川上昌直氏の著作『マネタイズ戦略』では、顧客に価値を提案し、どうすれば利益を得られるかがマネタイズだと考えます。利益獲得だけを狙っても、顧客が「これは良い商品だ」と納得しなければ消費しません。顧客に納得してもらうには顧客が悩んでいる課題を解決できること(顧客価値)が重要です。マネタイズ戦略では、顧客価値を提案し収益化することを重視します。

無収益サービスの収益化としての「マネタイズ」を実践する上でも、顧客価値を提案することが求められます。広告モデル、課金モデル、サブスクリプションモデルなど、マネタイズには様々な種類があります。例えば、Netflixが成功しているからサブスクリプションをまねるのではなく、「顧客の悩みとは?」「悩みをいかに解決できるか?」など顧客価値を追求していくことが重要なポイントです。

『マネタイズ戦略 顧客価値提案にイノベーションを起こす新しい発想』

まとめ

IT業界で使われるマネタイズには、無収益サービスの収益化という意味があります。マネタイズの具体例には、VODやECサイト、ゲームアプリなどで一般的にもなじみがあります。他社の成功例をまねるだけではマネタイズはうまくいきません。記事では、マネタイズをうまく進めるためのポイントやマネタイズ成功に役立つ思考を紹介していますので、参考にしてみて下さい。

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