相乗効果とは?シナジー効果につながった企業の事例と失敗例を紹介

相乗効果の記事

実際に企業の成功例・失敗例を参考にすると、御社の戦略方法に役立つかもしれません。

今回は、相乗効果(シナジー効果)の重要性とM&Aや業務提携を行うメリット ・デメリットを解説していきます。

目次

相乗効果とは

相乗効果とは
「相乗効果」とは「二つ以上の要素が合わさることで、より大きな効果を得られること」を意味します。

「相乗効果」は「相乗作用」、「共同作用」とも呼ばれ、ビジネスにおいては「シナジー効果」という言い方をされることが多いです。

2つの企業がプラスの作用により、関係する要素全てがwin-winの関係になるという意味があります。

相乗効果の意味と重要性

「相乗効果(シナジー効果)」は、ビジネス上の取引において、2つの企業がお互いに利益をもたらす事業展開ができることを言います。

相乗効果は両社にとってプラスとなるため、ポジティブな意味で用いられます。

相乗効果(シナジー効果)の使い方や例文は?

複数の部署を連携したところ、大きなシナジー効果をもたらす結果となった

新人の新鮮な発想力とベテラン従業員の応用力があればシナジー効果を発揮できるだろう

シナジー効果を考えたマーケティング戦略をしよう

シナジー効果につながった企業の事例

シナジー効果につながった企業の事例
ここからは、シナジー効果の成功例を6つの有名企業を参考に見ていきましょう。

1. ソフトバンクの事例

2001年にブロードバンド通信に参入したソフトバンクは、2004年7月に日本テレコム(JT)を買収。 

法人顧客の取り込みに成功して販売シナジーを得た上、従来の通信の設備を活用することで、コスト削減となり、操業シナジーに成功しています。

ホークス球団を買収しプロ野球の球団を持ち、国内での知名度が一気にアップ。

2006年には、ボーダフォン日本法人を買収し、携帯電話事業に本格的に参入し、固定の電話・ネット回線とのシナジー効果を発揮。

今では日本を代表する携帯キャリアへと成長を遂げています。

2. ユニクロとビックカメラの事例

2012年9月、「ビックカメラ」と「ユニクロ」の提携により新宿駅東口に家電店とアパレルのコラボ「ビックロ」が誕生。  

ファッションと家電で培った両社のノウハウを合わせることで販売シナジーと経営シナジーを目指しています。

3. 楽天の事例

楽天は2000年に店頭市場に上場してからM&Aで次々とグループ事業を拡大している成功例です。

2003年、旅行サイト「旅の窓口」を運営していたマイトリップ・ネット株式会社を完全会社化。

同年ディーエルジェイディレクト・エスエフジー証券株式会社(現 楽天証券株式会社)を子会社化。

2004年、あおぞらカード(現 楽天証券株式会社)を子会社化。

2006年、楽天グループの「楽天経済圏」構想を発表し、ユーザーに消費と金融を提供する販売シナジーが期待できます。

4. JTの事例

JT(日本たばこ産業)は国内のたばこ市場が縮小してから海外の企業を買収に力を入れています。

1999年に米国RJRナビスコの米国外たばこ事業、2007年には英国のたばこ大手ギャラハーを買収。

2015年には米国レイノルズの一部事業を買収、その後はフィリピン、インドネシア、ロシアのたばこメーカーを次々と買収しました。

海外の会社を買収した後は、順調な経営体制となっており経営シナジー効果の成功例と言えます。

5. カシオの事例

カメラや計算機の開発・製造を行っているカシオは
リプレックス社のM&Aによるシナジー効果を得ています。

リプレックス社は写真機能に関するアプリケーションの開発を専門に行っています。

カシオは2013年にリプレックス社の株式をすべて取得し買収し、投資と研究開発のシナジー効果を得ることに成功しています。

ソフト面とハード面の両者に強みを持ち、最新のデジタルカメラの開発に成功し、利益アップに繋がりました。

6. セブン&アイホールディングスの事例

セブン&アイ・ホールディングスはグループ内におけるシナジー効果の典型的な成功例です。

提携金融機関や利用者からの利用手数料収入を主な収益源とする「セブン銀行」は集客力の高い「セブンイレブン」・「イトーヨーカ堂」に設置。

トータルで客数・売り上げ・収益アップに繋がるグループシナジー効果・相乗効果に繋がっています。

M&Aや業務提携を行うメリット ・デメリット

   
M&Aや業務提携を行うメリット ・デメリット
ここからは、相乗効果・シナジー効果を狙ったM&Aや業務提携を行うメリット ・デメリットを見ていきましょう。

メリット

業務提携のメリットは、M&A(買収や合併)とは違い、会社は消滅しないのがメリット。

特定の事業分野に特化して協力し合い、対等な関係でメリットが生み出せるのがポイントです。

業務提携は組織の再生や経営力向上のために、多くの資金と長い時間をかけるため、リスクを抑えられます。

会社の利益向上のために協力するため、自社の独自性を保つことができるのもメリットと言えます。

M&Aのメリットは、人材や特許、ノウハウなど技術力の源泉を取り込むことできるため、買い手側の会社を成長させる有力な手段となります。

また、売り手が繰越欠損金を抱えていた場合、買い手がそれを引き継ぐことができるため、買い手が節税できるのもメリットです。

デメリット

 
業務提携は、簡単な手続きになりやすく、契約も曖昧に済ませてしまうと、後に利益配分で揉めることになるので注意が必要です。

デメリットとしては、技術やノウハウなど情報流出のリスクがあるので、事前に企業の信頼度を調査してから契約を締結する必要があります。

また、従業員は待遇、勤務地、仕事内容の変更、仕事量の増加、リストラのリスクを受けるため大きなダメージに繋がります。

経営者や企業に愛着を持っていた従業員はモチベーションが下がりやすくなるのはデメリットと言えます。

M&Aに失敗した事例

M&Aに失敗した事例
M&Aの失敗は、買収先企業が経営不振から回復できずに、事業拡大の目的を達成できなかったケースです。

ここからは、M&Aに失敗した事例を見ていきましょう。

マイクロソフトがノキアの携帯端末事業を買収

 

2014年、ソフトウェア開発・販売の米マイクロソフトは、フィンランドの開発ベンダーであるノキアの携帯端末事業を約72億ドルで買収。

しかし、スマートフォンの販売は低迷し、翌2015年にはマイクロソフトはノキアのハードウェア事業を打ち切ることに。

ノキア買収に関する76億ドルの減損損失を7800人のリストラを実施してカバーせざるを得ない結果となってしまった。
 

パナソニックと三洋電機の例

   
パナソニックは三洋電機株式のTOB(株式公開買い付け)を実施して子会社化。

三洋電機は経営破綻の危機にあった中、シナジー効果を出せると期待されたのです。

しかし、三洋電機の主力であるリチウムイオン電池はサムスン電子に負けることに…。

パナソニックは大規模なリストラに踏み切りましたが、経営は未だ回復していません。

まとめ

相乗効果のまとめ
今回、ビジネスにおける相乗効果(シナジー効果)の意味や企業の成功例と失敗例をご紹介しました。

シナジーは相互作用を表す意味があり、お互いの企業がプラスに働くことがメリットです。

今後は、広告や商品開発における会議やプレゼンなどでもシナジー効果を意識すると効果的です。

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