HRテックとは?市場規模や事例などを紹介

HRテックの記事

HRテックは、テクノロジーを使って人事の仕事を効率化したり、タレントマネジメントを推進したりするためのツールやサービスのことです。
生産性向上・グローバル化・国際競争力の低下などにより、日本企業においてHRテックは注目されています。

HRテックのメリットや、具体的な事例をふんだんに盛り込みながら解説していきます。

目次

HRテックとは

hrテックとは
HRテックとは、HR(人的資源)とテクノロジーを合わせた造語です。なぜHRテックが注目されているのか、市場規模や背景から解説していきます。また、それに伴いHRテックを活用するメリットについても解説します。

HRテックとはなにか

HRテックとは、HR(人的資源)とテクノロジーを合わせた造語です。人事管理・給与計算・勤怠管理等の労務管理や、採用・人材開発・人事評価・キャリア等のタレントマネジメント関連に至るまで、HR分野の幅広い領域において、クラウド等のテクノロジーを用いて人事領域の課題解決を目指すITソリューションのことを指します。

HRテックの市場規模

HRテックの市場規模は年々拡大しています。日本のHRテックの市場規模は2017年において184億円とされています。市場規模を調査したミック経済研究所によれば、2021年にはHRテックの市場規模は613億円に上ると推定されます。

HRテックが注目されている背景

従来の人事部では勘で人事管理を行っていました。しかし日本企業は、生産性が上がらないことでグローバル化に適応しきれず、また、イノベーションを起こせる企業が少なくなってきたことで国際競争力が低下しています。日本企業はハイパフォーマーを確保して優位に立たなければなりません。ハイパフォーマーは国内だけでなく世界中から人材を確保していく必要があるでしょう。文化も言語も違う人材に活躍してもらうためには勘に頼る人事管理ではなくテクノロジーを用いたHRテックを活用する必要があるんですね。

また、ベンチャー企業が参入しやすいこともHRテックが注目される背景の1つです。HRテックの源流はオラクルやSAPが提供してきたHRMS(人事管理システム)です。主に大手企業向けに発展してきましたが、クラウドサービスやデバイスの普及等により大きく注目されるようになりました。

HRテックを活用するメリット

HRテックを活用するメリットは、大きく3つに分けられます。

1.定型業務の効率化ができる
人事労務業務には採用フロー、人事評価データ管理等、多くの定型業務があります。HRテックのテクノロジーを使ってそれらを一元管理することで、効率化することが可能です。

2.人事が「戦略人事」として脱皮できる
アメリカの経済学者デイブ・ウルリッチは、これからの人事部は戦略人事を目指すべきだと提唱しました。戦略人事とは、管理機能を担うだけの人事部ではなく、経営者のパートナーとして経営者の事業戦略を進めるためのサポートを担うセクションとなるということ。そのためには、業務の効率化を図り、HRテックにできることはHRテックに任せて、人事は「人でなければできない仕事」に注力します。また、HRテックに備わるエンゲージメント向上のためのサービス(従業員満足度調査など)、タレントマネジメントを推進するためのサービスなどを活用することで、人事部は戦略人事として脱皮を図ることができます。

3.リテンションマネジメントが実行できる
企業が競争優位に立つためには、ハイパフォーマーの確保が必要であることを述べました。一方、労働市場が柔軟になったことで転職が容易になります。ハイパフォーマーは引く手あまたであり、中途採用のために高い賃金を提示する企業もあります。

せっかく育成したハイパフォーマーが他社に転職されては元も子もありません。HRテックにより人事データを一元管理することで、リテンションマネジメントが実行できます。離職しそうな人材に気付いたりエンゲージメントを高めたりすることで、離職防止を図ります。

HRテックにまつわる事例

hrテックにまつわる事例
HRテックの企業の事例をご紹介していきます。

日立の事例

日立製作所では、新卒採用においてモノづくりよりもコトづくりに長けた人材を採用しようとしていましたが、なかなかうまくいきませんでした。コトづくりは、新しい仕組み・新たな価値を創造することを意味する用語です。

そこで新卒採用においてHRテックを活用し、積極性や創造性に長けた人材を採用できるようになりました。以降、日立では新卒採用のみならず人事業務全般に、HRテックを活用するようになっています。

メルカリの事例

メルカリではHRテックのTalentioを活用しています。メルカリがTalentioを活用するようになった理由は、ダイレクトリクルーティングやリファラル採用のサービスであったことが要因です。

Talentioを導入する以前も、メルカリではダイレクトリクルーティングに取り組んでいましたが、ツールが2つに分かれており使い勝手が良くありませんでした。しかしTalentioではタレントプールの中から採用に至るまでを一元管理できるようになったため、採用フローが効率化を図ることができるようになっています。転職潜在層に対して時機を逃さずコンタクトを取れるようになり、欲しい人材を確保できるようになりました。

フィードフォースの事例

メルカリと同じくフィードフォースでもHRテックのTalentioを導入し採用課題を解決しています。フィードフォースの採用課題は蓄積、分析、効率化の3つ。一元管理できるTalentioによって解決しました。また、複数のツールを使わず一元管理できるために、ヒヤリハットが大きく減少する成果が上がっています。

ヴィレッジバンガードの事例

ヴィレッジバンガードコーポレーションは、全国に店舗を抱え、従業員3,000人を擁する企業。HRテックのSmartHRを導入し、年末調整の効率化に成功しました。SmartHRを導入したことで「ペーパーレス年末調整」を推進し、人事部が3日で行っていた作業が「1クリック」で済むようになりました。

サボンジャパンの事例

サボンジャパンでもHRテックのSmartHRを導入しています。小売業なので毎月20~30人ものアルバイト従業員の入退社手続きが発生。また、当初30人程度だった従業員が400人近くに増える中で、給与改定や契約内容の変更の業務の負担は労務担当者に重くのしかかってきました。

そのような中、SmartHRを活用し、入退社手続きをシンプル化しました。紙を使って行っていた手続きをPCやスマホで完了することになったのです。サボンジャパンの労務担当者は、30時間以上もの業務を減らすことに成功し生産性向上へ向けた一歩を踏み出しています。

株式会社小学館集英社プロダクションの事例

小学館集英社プロダクションでは、カオナビというHRテックを導入し、タレントマネジメントの実現に役立てています。カオナビは既存の基幹システムのデータをまるまる移管できるため導入の手間は少なく済みました。導入後は、社員のデータを一元管理できることでタレントマネジメントに活用しています。カオナビでは質問形式で社員にキャリアプランを書かせることで、タレントを見出し戦略人事的に活用しています。

株式会社LAVA Internationalの事例

LAVA InternationalでもHRテックのカオナビを活用し、従業員のマネジメントに役立てています。LAVAはヨガスタジオを運営しており多数のインストラクターを抱えています。顔写真や経歴が「見える化」したことにより、インストラクターの人員配置や人事評価がやりやすくなりました。

HRテックを導入する場合の注意点

hrテックを導入する場合の注意点
ここまで記事を読まれて、HRテックを導入したいという気持ちになってきたかもしれません。本格的に導入を検討するに際しては、HRテックを導入する場合の注意点についてもチェックしておきましょう。

解決したい課題や目的を明確にする

HRテックは注目されています。しかし、注目されていることをもって、HRテックに飛びつくのは早計です。HRを通じてどんな人事上の問題を解決したいのか、あるいはHRテックを導入する目的は何かを明確にしましょう。課題・目的を明確化しておかないと、「導入してみたら使いこなせなかった」「使って欲しい人が使わなくなってしまった」という問題が出てくることもあります。

改めて事例を見てみると、HRテックを通じて解決したい課題は採用、人事管理、タレントマネジメントまで様々です。事例では、解決したい課題はシンプルでしたが、HRテックでできることはたくさんあります。解決したい課題が給与・勤怠・採用・タレントマネジメントと、多岐に亘るのであれば、総合力の高いHRテックの導入を検討すべきでしょう。あるいは、課題が1つ、2つに特定できるのであれば特化したHRテックを検討すべきでしょう。

ツールやサービス以外の解決方法も検討する

HRテックでできること、人ができることを分けましょう。戦略人事として、HRテックができることはHRテックに任せ、経営者のサポートを行うことが肝要です。

費用対効果を意識する

HRテックは初期費用の他、毎月のランニングコストも発生します。費用対効果はどのくらいか、HRテックの運営会社に試算しておいてもらいましょう。運営会社はHRテックを導入して欲しいと思っているので費用対効果の試算をしてくれると思いますよ。

まとめ

hrテックのまとめ
HRテックは日本企業においてますます注目されていきます。人事部の業務の効率化、ハイパフォーマーの発見と育成、そしてリテンション。また、人事部も管理機能だけではなく、戦略人事として経営者のサポーターの役割を求められるようになっています。企業の成長の伴走者としてHRテックの活用を検討してみましょう。

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