NDA(秘密保持契約)の意味とは? NDAを締結する理由・重要性について紹介

NDAの記事
企業間取引において、機密情報が漏洩してしまうリスクは企業の存続が危ぶまれるほど重大なリスク。機密情報漏洩リスクを防止するために、企業間でNDA(秘密保持契約)を締結します。NDAを締結する理由は何か、NDAの重要性などについて分かりやすく解説します。
目次

NDAとは?

NDAの意味、どんな場面で必要とされるかなどについて解説します。

NDAとは秘密保持契約のこと

NDAとは秘密保持契約を意味し、取引を行う中で知った個人情報や機密情報などについて、取引以外の目的で外部に漏らすことを禁じる契約です。英語ではNon-Disclosure Agreementといい、頭文字を取ってNDAというのです。

NDAが必要とされる場面とは

個人間や企業間の取引の場面で、個人情報や機密情報の漏洩を防止するため、そして不正利用防止のためにNDAは活用されます。そもそも企業間取引においては、NDAを結ばなければ企業は秘密保持を遵守する義務がないというリスクがあります。

したがって、企業間で取引を行う前にNDAを締結しておかないと、取引先が機密情報を漏らしたとしても責任を問えないことになってしまいます。故意に、あるいは過失で取引先が情報を漏らした際、NDAを締結しておけば責任を問うことができるのです。

NDAを締結するにもタイミングが重要。取引先との交渉がどんどん進んでしまった後でNDAを締結しても遅いことがあります。重要な情報を開示する段階でNDAを締結するようにしたいところです。

NDAで定められる内容

NDAでは、自社と取引先のどちらかが一方的に作成せず、企業間で協議しながら作成を進めるようにしましょう。協議しながら保護するべき情報を特定し、相互に情報保護に努める意識を持っていきたいですね。NDAで定めるべき内容には、次の4つがあります。


1.機密情報の定義
2.秘密保持の期間
3.秘密保持の義務を負う対象者
4.損害賠償

機密情報といっても顧客情報や特許情報など様々です。そのため、NDAで扱う機密情報とは何か、しっかりと定義しておくことが必要になります。

秘密保持の期間がいつまでかについて、NDAを締結する際に決定します。契約期間が訪れたら必要に応じて期間を更新していく内容とします。

NDAでは機密情報を扱う対象者についても範囲を決めておきます。誰でも機密情報に触れる機会があると、それだけ漏洩するリスクが高まってしまいます。機密情報を扱う対象者は、どんな場合、あるいは場面で機密情報を扱えるのかについても定義しておく必要があります。

損害賠償についても、罰則内容、そして、どんな条件で罰則が適用されるかなどについて定めておきます。

NDAを締結する理由

企業間取引において機密情報を締結する理由には、大きく分けると3つの理由が存在します。

機密情報の使用範囲を限定するため

NDAにおいて保護されるべき機密情報について、情報開示を受ける取引先は、機密情報の使用範囲を広くしたいと考えます。取引先にとって機密情報が利益に資する場合があるからです。ですから、NDAを締結することで機密情報の使用範囲を限定する必要があります。

機密漏洩を防ぐため

機密情報の漏洩を防ぐことはNDAを締結する最大の理由です。情報漏洩は企業の存続に関わりますので、NDAを締結し、情報漏洩してはならないこと、情報を扱う社員への周知をすること、情報漏洩した場合には損害賠償が発生することなどを明記する必要があります。

ブランドイメージの毀損を防ぐため

機密情報が漏洩されると、自社の利益が損なわれます。顧客からの信頼を失い、ブランドイメージが凋落してしまいます。ブランド戦略によってせっかく高めてきた自社の企業価値が情報漏洩1つで無為に帰してしまうのです。ブランドイメージが毀損されると、再びイメージを元に戻すには多くの時間とコストがかかってしまうでしょう。

NDAを締結し、取引先が情報漏洩しないことを明記することによって、自社のブランド価値を守ることができるのです。

NDAを締結することの重要性について

NDAを締結することは企業にとっていかに重要か、ポイントを2点に絞り解説します。

機密情報が漏れても食い止められる

NDAを締結することにより、自社も取引先もお互いに機密情報が漏れないように努めます。しかし、故意・過失のいずれかの場合でも情報が漏れてしまうこともあります。損害賠償によって情報漏洩した後の損害を補填することはできますが、できれば情報漏洩を食い止めたいところです。NDAを締結していれば、機密情報が漏れても食い止められる可能性があるのです。

機密情報は、NDAを締結している取引先が第三者に情報を漏らした場合、第三者が情報を漏らすことまでを制限することはできません。そのため、情報漏洩は雪だるま式に拡大していくのです。しかし、NDAで扱っている機密情報が不正競争防止法の営業秘密に該当する場合、第三者の情報漏洩についても防ぐことができます。これが、機密情報が漏れても食い止められる可能性があることの意味合いです。

競業防止義務を課すことができる

NDAでは秘密保持だけでなく、機密情報を元にした不正な活用を禁じることができます。つまり、機密情報を知った取引先が情報を元にして、例えば自社の製品と類似した製品を開発することを禁じるというもので、NDAを締結した取引先に競業防止義務を課すことができます。

NDAでは、自社の機密情報を元に自社と同等もしくは類似の事業を行ってはならない(競業防止義務)と定めることができます。競業防止義務を定めておかないと、取引先がライバル会社に変貌し自社の利益が脅かされることになるでしょう。

あわせて読みたい
競業避止義務とは?転職した際の効力や過去の判例などを紹介
競業避止義務とは?転職した際の効力や過去の判例などを紹介【競業避止について】競業避止義務とは、会社の利益を不当に侵害してはならない義務のことをいいます。例えば、従業員が競合他社に雇用されたり、独立して会社と競合す...

NDAを締結する際に注意したいチェックポイント

NDAを締結する際に、これだけは注意して欲しい3つのポイントを紹介します。

1.機密情報を特定し過ぎない

NDA締結においては、機密情報を特定し過ぎないことが重要です。あまり詳細な情報をNDAに書くとそれだけで情報漏洩になってしまいます。ですから、NDAに記載する時は「製品に関する技術的・営業的な情報の一切は機密情報に含める」というような書き方を行い、機密情報を特定し過ぎないことが大切です。

2.機密情報を保持する期間の特定がなされていること

NDAでは、機密情報を保持する期間も特定することが大切です。期間を特定しておかなければ、NDAが有効な期間がいつまでなのか、双方で分からなくなってしまいます。ですから、取引先と機密情報を保持する期間を話し合い、NDAにしっかり特定しておくことが必要です。

3.賠償責任について明記されていること

取引先が機密情報を漏洩してしまった場合、取引先に賠償責任を負ってもらうよう、賠償責任の金額を具体的に明記しておきましょう。情報漏洩したからといって、必ずしも、こちらが希望する賠償責任を取引先に負ってもらえるとは限りません。ですので、一定の金額をNDAには明記しておく必要があるのです。

NDA作成の流れ

NDAの重要性やチェックポイントについて説明してきました。最後に、NDAを作成する時の流れを解説します。まず、NDAを締結するタイミングは、機密情報を開示する前からです。その際、NDAを締結したい旨を取引先に通知しましょう。

原案を作成する

NDAの契約内容について、自社で作成し双方で協議します。双方で納得することができれば、原案を作成していきます。その際、NDAに盛り込むべき機密情報の定義、期間、使用範囲などを網羅しておきます。

契約内容を修正する

自社と取引先が双方で原案を確認し合い、修正すべき点があれば契約内容を修正します。特に、自社にとって不都合な契約内容となっていないかをしっかりと確認して下さい。

NDAを作成する

契約内容について双方が合意したら、実際にNDAを作成して下さい。尚、NDAを作成するにあたり、収入印紙は不要です。

まとめ

情報漏洩は企業にとって回避すべき大きなリスク。情報漏洩をしてしまうと、業績悪化やブランドイメージの毀損に繋がります。情報漏洩を防ぐためにNDAは非常に重要な書類となります。NDAによって自社の機密情報をしっかり守った上で取引先とビジネスを行うことができます。

あわせて読みたい
競業避止義務とは?転職した際の効力や過去の判例などを紹介
競業避止義務とは?転職した際の効力や過去の判例などを紹介【競業避止について】競業避止義務とは、会社の利益を不当に侵害してはならない義務のことをいいます。例えば、従業員が競合他社に雇用されたり、独立して会社と競合す...
よかったらシェアしてね!
目次
閉じる