チューターとは?意味・ビジネスや学校における使い方を紹介

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チューターという言葉を聞いたことがあるでしょうか?チューターとは教育機関やビジネスで使われる用語で、個人指導の教師といった意味です。しかし、教育機関やビジネス等、場面によって使われる意味合いが異なってきますので、チューターという言葉の使われ方や、ビジネスにおいてチューター育成が求められる背景等についても言及していきます。
目次

チューターとは

チューターとは
チューターは、教育において使われ始めた言葉ですが、ビジネスにおいても浸透してきている言葉です。チューターの意味、チューターの歴史についても説明します。

チューターの意味

チューターとは個人指導の教師という意味です。ただしその意味するところは幅広く、教育機関なら家庭教師や指導教員、そしてビジネスにおいては教育者や指導者という意味で使われます。いずれにしても「1対1」の関係で、相手を教育し、導いていく役割を担います。

チューターの歴史

英語におけるチューター(tutor)はラテン語を語源とする言葉です。元々の意味は「保護する」「面倒を見る」というものでした。それが転じて個人指導の教師という意味になってきたと考えられます。ちなみにチューターは、英国のオックスフォード大学・ケンブリッジ大学にて個人指導を受ける仕組みがあり、それが起源とされています。

場面によって異なるチューターの意味

チューターと一言で言っても場面によって意味が異なります。例えば、教育機関なら次のような意味で使われます。

・家庭教師
・大学におけるティーチングアシスタント(TA)
・大学における指導教員
・大学における留学生向け指導者

同じ教育機関でも、使われる場面によって、チューターの意味、そして目的も全く異なることが分かります。ビジネスについては後述します。

ビジネスで使われるチューター、チューターに似た制度の違い

ビジネスで使われるチューター、チューターに似た制度の違い
ビジネスでもチューターという言葉は使われます。ここでは、OJTリーダーとしてのチューターについて解説していきます。

OJTリーダーとしてのチューター

ビジネスにおいては、人材を教育する時にチューターという言葉が使われます。ただし、その教育はOff-JTというよりは現場のOJTにおける教育を指すことが多いですね。従って、チューターも OJTリーダーとしてのチューターという意味合いで使われます。ビジネスにおけるチューターとはOJTリーダーとしてのチューターを指します。

メンター制度

メンター制度は、チューター制度と似ていますが、目的は異なります。メンター制度が目的とするのは、先輩社員(メンター)が後輩社員(メンティー)の不安を解消し、メンティーの心理的な成長を促すこと。反対にチューター制度は、OJTリーダーとしてのチューターと述べたように、仕事ができる人材に成長するよう育成することが目的です。

メンター制度は職務上の成長にはノータッチ。チューター制度は仕事の専門性を教育することで、職務上の成長を高めることが目的です。誤解しないで頂きたいのは、チューターも心理的な成長を促す点ですね。職務上の成長といっても教育の渦中で相手の心理に触れない訳ではありませんので、結果的には、チューター制度はメンター制度を包摂した制度ということができるでしょう。

ブラザー・シスター制度

チューター制度と似たような教育の仕組みにブラザー・シスター制度があります。ブラザー・シスター制度は、新入社員に仕事を教えるための教育制度です。チューターが教育するのは新入社員に限りませんので、ブラザー・シスター制度の方が範囲は限定的です。

新入社員に対するチューター

チューターやOJTリーダーとしてのチューターを、新入社員の事例を元に紹介します。相手が新入社員なら年の近い先輩社員がチューターを担います。新入社員研修で一通り教育されても、全ての新入社員がモノになっている訳ではありません。先輩社員であるチューターが綿密な指導を行うことで、社会人として独り立ちしていく訳です。

チューターによる人材育成が求められる背景

チューターによる人材育成が求められる背景
ビジネスにおけるチューターの意味合い・事例・類似する制度との違いについて説明してきましたが、ここからはチューターによる人材育成が求められる背景について考えていきます。

キャリア形成は社員が自律的に行う

年功序列の廃止、終身雇用制の崩壊、そして同一労働・同一賃金により、日本の雇用慣行は大きく変貌を遂げることが予想されます。それに伴い企業の人事制度も大きく変わらざるを得ません。これからの日本企業は、若くして高い賃金を得ることができる人材が生まれる一方で、年をいくら重ねても若手社員の賃金と大差ない人材が生まれる可能性が出てきます。

すなわち、賃金を獲得しつつ企業に残るためには、会社から人材育成されるのを待つのではなく、キャリア形成は社員自身が自律的に行う必要がある訳ですね。会社にいればお金がもらえ、しかも高い賃金がもらえる時代は過ぎ去ります。キャリア形成を自律的に行う必要があるからこそ、チューターによる人材育成に期待されることになります。

内発的動機付けの重要性の高まり

チューターによる人材育成によって、人材は、賃金や賞与、人事評価等の外発的動機付けにだけ飛びつくのではなく、内発的動機付けも重要視しています。つまり、教えを請う方の人材は、チューターから専門性を学ぶに留まらず、仕事の面白さ、労働することのやりがい、企業に対するエンゲージメント等を学びます。その中でキャリア形成を自律的に行っていく素地を作ります。

チューター自身の成長に繋がる

チューターは「1対1」の教育です。チューター制度はチューター自身の成長にも繋がります。チューターは職務上の専門性を教えなくてはなりません。人に教えるということは、自分の知識や技術がどれだけあるのかということの試金石にも繋がります。そこでも知識が足りなければ勉強しなければなりません。知識の定着をすれば、チューター自身の職務上の成長を目指せます。

また、チューターは専門性だけ教えていれば良いという訳にはいかないことは、これまで説明してきた通り。相手のメンタル面に対するケアも、チューターが行うのです。チューター自身が単に知識・技術だけを覚えてきただけで、対人能力を磨いてこなければ、メンタル面のケアはできません。チューター自身のテクニカルな面とヒューマンな面の両方を磨くことができるのがチューター制度です。

学校で使われるチューター

学校で使われるチューター
最後に、学校等の教育機関で使われるチューターについて、解説をしていきます。

大学の助手

大学の助手は教育機関におけるチューターです。助手といっても大学教員になるための助手もあれば、ティーチングアシスタントのように大学院生が就くような助手もあります。

いずれにしても院生を含めた大学生全般に対して、研究や学習の指導や支援を行うのが大学の助手であり、チューターなのです。

留学生対象のアシスタントとしてのチューター

大学におけるチューターのもう1つの代表例が留学生対象のアシスタントです。留学生が大学を使いこなせるように、また、大学生活を送る中で不安な点・心配な点・知っておいた方が良い点等について説明し、時には相談に乗ってあげるチューターです。

まとめ

チューターのまとめ
チューターについて、教育機関とビジネスの双方について解説してきました。ビジネスにおいてチューターが求められる背景について言及したので、主にビジネス寄りのチューターの解説となりましたが、チューターの重要性、メリット等についてはご理解頂けたことと思います。チューター制度を導入していない企業においては、「チューターによる人材育成が求められる背景」を精読頂き、チューター制度の効果を感じて頂ければと思います。

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