資格喪失届とは?提出先・提出期限・提出方法・書き方を紹介

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従業員が退職した場合などに、企業は社会保険の資格喪失届を提出する必要があります。従業員の退職手続きに追われてしまい、人事・労務担当者は資格喪失届の作成・提出を忘れないようにしましょう。記事では資格喪失届の提出期限や提出方法、書き方について紹介しています。

資格喪失届とは?

資格喪失届とは、従業員が退職した場合などに企業が日本年金機構に提出すべき書類です。資格喪失届の提出は人事担当者が担うことが多いです。ちなみに、資格喪失届の正式名称は被保険者資格喪失届といいます。

資格喪失届が必要な場合

資格喪失届の提出が必要な場合は、主に次の通りです。

・従業員が退職・転勤・死亡した時
・従業員を解雇した時
・従業員が適用除外となった時
・従業員が70歳となり厚生年金保険の加入資格を失った時

退職した場合に限らず、転勤や死亡、適用除外などの理由でも、資格喪失届を提出しなくてはなりません。

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資格喪失届の提出先

資格喪失届の提出先は日本年金機構となります。ただし、日本年金機構の本部に提出するのではなく、企業の所在地を管轄する年金事務所に提出して下さい。また、資格喪失届を郵送する場合は事務センターに提出するようにします。

資格喪失届の提出期限

資格喪失届の提出期限や資格喪失日について解説します。尚、資格喪失日が混乱しやすいので注意しましょう。

資格喪失日から数えて5日以内

資格喪失届の提出期限は、資格喪失日から数えて5日以内です。例えば、従業員が3月31日に退職した場合の提出期限は次の通りです。

・資格喪失日:従業員が退職した日の翌日4月1日
・提出期限:資格喪失日より5日以内の4月5日

退職の場合、資格喪失日は退職した日の翌日。また、資格喪失日から数えて5日以内が資格喪失届の提出期限なので、上記のように期限を決めるのです。

ケースごとに異なる資格喪失日

資格喪失届には、退職や死亡、転勤など様々なケースがあります。原則的に資格喪失日は事由が生じた日の翌日ですが、資格喪失日はケースごとに異なります。退職、死亡の場合と、その他の場合に分けて説明しましょう。尚、提出期限が5日以内であることは共通しています。

退職、死亡の場合

退職(解雇含む)、死亡の場合における資格喪失日は、事由が生じた日の翌日です。理由は、退職日には従業員は企業に在籍しており、また、死亡日には従業員は存命であるとみなされるからです。

その他の場合

退職、死亡以外の事由による資格喪失日は次の通りです。

・従業員が転勤した時:転勤した当日
・従業員が適用除外となった時:適用除外となった日の翌日
・従業員が70歳となり厚生年金保険の加入資格を失った時:70歳の誕生日の前日

事由によって当日・翌日・前日などと資格喪失日が異なりますので、人事担当者は資格喪失日に注意しながら資格喪失日を提出するようにしていきたいところですね。

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資格喪失届の提出方法

資格喪失届が必要な場合や資格喪失日、提出期限などへの理解を踏まえ、資格喪失届の提出方法を確認していきましょう。

資格喪失届を作成する

日本年金機構のホームページより、資格喪失届をダウンロードして作成していきます。提出前には記入ミスがないか、未入力がないかをチェックして下さい。

必要書類の添付

資格喪失届には必要書類を添付する必要があります。必要書類としては健康保険被保険者証や健康保険限度額適用・標準負担額減額認定証などがあります。必要書類をそろえたら年金事務所か事務センターに提出して下さい。

資格喪失届の必要書類

資格喪失届に添付する必要書類について、詳しく解説していきます。

保険証

資格喪失届に添付する必要書類としては、健康保険被保険者証があります。被保険者、家族の分も含めて回収し添付して下さい。ただし、健康保険被保険者証を資格喪失届に添付するのは、企業が協会けんぽに加入している場合に限ります。企業が組合健保している時は健康保険被保険者証を添付する必要がありません。組合健保の場合に保険証の添付が不要な理由は、健保組合に保険証を返却するためです。

仮に、協会けんぽの企業の被保険者が保険証を紛失した場合はどうなるでしょうか?保険証を添付できない場合、健康保険被保険者証回収不能・滅失届を添付すれば良いことになっています。

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その他の書類

資格喪失届に添付する必要書類には、必要に応じて以下の書類があります。

・高齢受給者証
・健康保険特定疾病療養受給者証
・健康保険限度額適用
・標準負担額減額認定証

資格喪失届の書き方

資格喪失届の書き方について解説していきます。資格喪失届は、協会けんぽ・組合健保による書き方の違いはありません。

記入する項目について

資格喪失届に記入する項目は以下の通りとなります。

1:提出者記入欄
2:被保険者整理番号
3:対象となる被保険者の氏名と生年月日
4:個人番号
5:喪失年月日
6:資格喪失原因
7:備考

1:提出者記入欄
必要事項を記入します。事業所整理番号、事業所所在地、事業所名称、事業主氏名を記入、また、社印を押印します。

2:被保険者整理番号
被保険者整理番号とは、保険証の番号のことです。

3:対象となる被保険者の氏名と生年月日
被保険者の氏名、生年月日を記入します。住民票に登録してある氏名と同じでなくてはなりません。生年月日は和暦で記入します。

4:個人番号
個人番号とはマイナンバーのことです。マイナンバーが正しいことを確認し、間違いなく記入して下さい。

5:喪失年月日
喪失年月日は、事由に応じて正しい年月日を記入しましょう。退職による喪失届であるのに、喪失年月日に退職日を記入しないように注意して下さい。退職の場合の喪失年月日は退職した日の翌日です。

6:資格喪失原因
資格を喪失した原因を〇で囲んで下さい。退職や死亡の際は、それぞれ、退職日および死亡日を記載します。

7:備考
備考欄には、「2つ以上の事業所で勤務している」「60歳以上で退職した被保険者が継続して再雇用となった」場合に、該当欄に記入します。

資格喪失届を提出する時の注意点

最後に、資格喪失届を提出する時の注意点を解説します。

提出期限日に注意する

資格喪失届の提出期限日は5日以内だと説明しました。ただし、資格喪失の事由に応じて資格喪失日が異なりますので、提出期限日も変わってくるのです。資格喪失日を確認し、提出期限日を押さえるようにして下さい。

また、提出期限日は5日以内ですから時間の余裕はありません。すみやかに年金事務所に提出するように心がけましょう。

資格喪失届は退職時だけに必要な書類ではない

資格喪失届の提出が必要なのは、退職時だけではありません。死亡、転勤、従業員が適用除外となった時などに提出が必要でした。人事担当者は、どんな場合に資格喪失届の提出が必要なのかを把握しておき提出を忘れないようにしましょう。

資格喪失届の保管はどうするのか

資格喪失届をバラバラに保管しないようにしましょう。人事担当者が一目で分かる場所に、資格喪失届を保管しておくようにします。資格喪失届を提出する際には、社員名簿に資格喪失日や資格喪失原因を明記しておくようにしましょう。社会保険事務所から問い合わせがあった場合に、対応することができます。

資格喪失届の提出が大幅に遅れた場合はどうするのか

資格喪失届の提出が大幅に遅れた場合でも、資格喪失届は年金事務所に受理してもらえます。以前は、資格喪失日から60日以上遅れた場合には退職した月の勤怠データや賃金台帳の提出が求められていました。しかし「行政手続きコスト」削減のための基本計画により、提出は不要になっています。

まとめ

資格喪失届は、社会保険に加入している被保険者が退職・解雇・死亡・転勤などの事由に該当した場合、年金事務所に提出が求められている書類です。ケースごとに異なる資格喪失日に注意し、提出期限内に届け出るようにしましょう。

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