内定取り消しが不当になるケースとは?実際の判例も合わせて紹介

内定取消しの記事

「内定取り消し」についてはよくニュースなどでも取り上げられており、とくに就活生の方は心配になってしまうようなワードですよね。本記事では、過去にどのような場合に「内定取り消し」が起こってきたのか、詳しくご紹介しますので参考にしてください。

目次

内定取り消しとは?

内定取り消しとは?
2008年のリーマンショック以降、入社が決まっていた就活生の内定を、企業が様々な理由で一方的に取り消すといった社会現象が起こるようになりました。国が内定取り消しを防ぐべく対応策を立てた現在もなお、「内定取り消し」はなくなってはいません。

内定取り消しの理由で多いケース

内定を取り消されてしまう理由は様々ですが、最近では「内定者の行動」が原因で内定を取り消されてしまう人が多くなっています。具体的には「SNS上での発言」や「単位が足りず大学を卒業できない」などのケースです。SNS上で内定先の企業の批判を行い、それが原因で内定取り消しとなっている事例が見られます。また、企業は卒業することを前提に内定を出しているので、卒業単位が足りないような事態になれば当然企業側が内定を取り消すことは十分に考えられます。

内定取り消しされた場合の対処法

続いて、実際に内定を取り消されてしまった場合、どのような行動をしたらよいのかを考えてみましょう。そもそも「内定者」とは、「社員」と同じく労働契約が結ばれており、不当に内定取り消しを受ければ「不当解雇」として法律に触れることになります。そのような場合は法的手段で対応しましょう。企業を訴えて内定の権利を取り戻したり、内定取り消しにより生じた損害賠償を請求するなどして、内定取り消しをした企業と戦うことができます。またそのような時に備えて、書面やメールなど、内定をもらえたという証拠を保管しておくとよいでしょう。

内定取り消しによる企業側のリスク

内定取り消しによる企業側のリスク
先述の通り、企業側は不当に内定取り消しを行うと、法律上「不当解雇」と同等に扱われてしまうため、内定者から訴えられてしまう可能性が考えられます。ただし、「正当な理由」がある時は内定を取り消せる場合もあるので、その違いはよく確認しておきましょう。

採用者への賠償義務

もし不当に内定を取り消したことによって内定者に損害や精神的苦痛を与えてしまった場合、企業側は内定者に対し損害賠償や慰謝料を支払わなければならないこともあります。

企業名の公表

あまりに悪徳な内定取り消しなどをしてしまうと、内定者から訴えられるだけではなく、マスコミにもリークされ、企業名が公表されてしまう恐れもあります。実際に、過去に不当な内定取り消しを行なった企業は、厚生労働省から正式に企業名の公表がなされています。

SNS等での炎上リスク

さらに、内定取り消しを受けた内定者が「SNS」上で過激な投稿をすることで、企業名が公表されてしまうリスクもあると考えられます。最悪の場合、炎上に発展すれば企業名だけでなく内定者との具体的なやり取りなども晒されてしまう場合もあるので注意が必要です。

損害賠償額が莫大になる恐れも

内定取り消しによって生じた賠償金とは「内定者が入社してもらうはずだった給料分」などのことを指します。また内定が出たことで、その他の企業の内定を全て断っていた場合、また最初から就活をやり直さなければならないといった精神的苦痛を与えたとして、慰謝料も合わせて請求される可能性もあります。こうした場合、慰謝料だけでもおおよそ100万円前後の支払い義務が企業側に生じるケースもあるので十分に注意しましょう。

内定取り消しが正当となるケース

内定取り消しが正当となるケース
ここからは、内定の取り消しが「正当に認められるケース」と「不当になってしまうケース」を掘り下げて見ていきましょう。

大学を卒業できない

企業は内定者が「卒業することが前提」で内定を出している場合が多いです。内定をもらい就活が終わったと安心して、学業が疎かになり留年になれば内定を取り消されてしまうのは当然のことかもしれません。この場合の内定取り消しは「正当」と扱われますので、内定者の皆さんは「卒業できない」なんてことは絶対に避けてください。

学歴詐称・犯罪行為

また「学歴詐称や犯罪行為」についても企業が内定取り消しをする正当な理由にあたります。例えば、内定を受けた学生が実は過去に犯罪を犯していたなどの事実が発覚した場合は、内定を取り消されてしまうことも十分にあるでしょう。学歴詐称についても、例えば面接時に「英語が得意でTOEIC900点を取得している」という発言をし、実際にはTOEICを受験すらしていなかったという場合、「学歴詐称」と判断されて「正当な内定取り消し」になることが考えられます。

病気やケガ

内定を受けた後、内定者の健康状態に何か問題が起こり、そのまま入社すると正常には働けないという状況では、内定取り消しが正当に認められるケースもあります。健康管理も重要になりますので、「大学生でまだ若いから」といって不健康な生活を送るのは控えましょう。

内定後に妊娠が発覚

また内定後に妊娠が発覚した場合についても、企業側の内定取り消しが正当に認められることが多いです。これは上記の「病気やケガ」の場合と同様に、入社後しばらくは働けないという状態になるからだと考えられます。内定者のみなさんは「自覚のある行動」を心がけましょう。

内定取り消しが不当となるケース

内定取り消しが不当となるケース
続いて、内定取り消しが不当になってしまうケースを見ていきましょう。

採用ミスによる不当な取り消し

「本当は3人しか雇えないのに、間違えて4人に内定通知を出してしまった」など企業側の明らかなミスによる内定取り消しは、「不当」として扱われる可能性があります。また、「内定者を決めた後に、さらに良い人材を見つけた」などといった理由も全て、企業の勝手な言い分と判断されるでしょう。

経営不振による取り消し

経営不振による内定取り消しについても「不当な内定取り消し」と判断されます。長期にわたり採用活動をしてきて、内定者が決まった途端に急に経営が傾くとは考えにくいからです。仮に急に経営不振に陥っていた場合でも、「そうなることが予測できなかった責任は企業にある」と見なされるため、経営不振による内定取り消しは認められない場合が多いです。

正当な理由と判断されないもの

企業が内定取り消しを希望する時、正当な理由だと認められるのは本記事で述べたごく一部です。つまり、「内定者の印象が悪い」「どうしても社風に合わない」「雇える経営状況ではなくなった」などの理由は全て「不当」として扱われてしまうので注意しましょう。

実際に起きた内定取り消しの判例

ここで、実際に起きてしまった内定取り消しの判例をご紹介します。皆さんも以前ニュースなどで聞いたことがあるかもしれません。

SNSで会社の秘密情報を暴露

1次面接までは順調に進んでいた女子学生は、SNS上で1次面接を通過したことを投稿しました。しかしその内容が、1次面接で質問された内容を投稿してしまったのです。企業の面接官たちは、「この質問をしたのは彼女だけだよね?これでは企業秘密も漏らされてしまうかも」と考え、彼女に内定を出すには至りませんでした。

勘違いにより卒業できなかった

大学を卒業するには、基本的には自分自身で講義の予定を組み、卒業に必要な単位を取得しなくてはなりません。しかし、その単位を勘違いしており卒業できなかったとある学生は、当然4月から入社が決まっていた企業から連絡が入り、内定取り消しとなりました。この場合、企業側による不当な内定取り消しには当たりません。その学生は留年し、もう一度就活を初めからやり直しました。

赤字転落で新卒採用が不可能に

2008年3月までは経営が順調だった金融会社が、1年足らずで赤字へ転落してしまい、2009年4月に入社予定だった内定者の学生数人の内定を取り消さざるを得なくなりました。しかし、企業側の勝手な理由だったため、内定者たちには補償金100万円ずつ支払われました。

まとめ

これまで事例を見てきたように、その時々の状況によってどちらが加害者になるか分からないのが「内定取り消し」の問題です。就活生の皆さんも、内定をもらって気持ちが高ぶってしまうのはわかりますが、SNSの投稿には十分気をつけましょう。SNSはすでに「公の場」です。あなたが投稿した内容で、あなた自身が追い込まれてしまう可能性も大いにあるのです。
また、もしも企業から不当な内定取り消しを受けた場合はただ泣き寝入りするのではなく、本記事でも紹介したような正しいやり方で「企業と戦う」という選択肢もあることを覚えておくと良いでしょう。

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる