初めての面接官。面接の流れや進め方、代表的な質問とタブーな質問など。

面接官の記事

初めての面接官、緊張しますよね。例えば、人事異動で採用担当になり「面接官になるように言われた!」ということがあり得ます。採用担当として、初めて面接官を務めるあなたのために、面接の流れ・進め方、代表的な質問などを具体的な事例を交えて解説します!また、採用面接で聞いてはいけないタブーな質問も紹介します。
目次

初めての面接官。大事なポイントは?

初めての面接官。大事なポイントは?
初めての面接官、何をどうしたら良いか分からないと思います。しかし、面接官を務めるためにはしっかりとした準備が必要です。準備をせずに面接に臨むことほど危険なことはありません。初めての面接官にとっての3つの大事なポイントについて説明していきます。

1. 面接の目的をしっかりと把握する

まず、採用面接の目的をしっかりと把握しましょう。新卒なのか中途なのか?採用する部署はどこなのか?基本的なことですが、面接の目的が不明確だと面接中に論点がブレてしまい、どうでも良いことを質問してしまうことになりかねません。また、なぜ新卒採用で「○○人」を採用するのか、なぜX部署で人材を中途採用したいのかといった観点も、採用の目的として捉えておく必要があります。

2. どういう人材を採用すればいいのかしっかりと把握する

採用面接を行うにあたって、どんな人材を採用すれば良いのか、採用担当の上司としっかりすり合わせておきます。どんな人材を採用するのかという観点は、「大事なポイント」の中でも特に重要な点です。人材はかけがえのない経営資源であり、人材が会社を動かしていくからです。採用は人事部の1機能と思われるかもしれませんが、人材は経営方針にも繋がっていますので、上司と相談してどんな人材を採用すべきかということは、しっかり頭の中に入れておいて下さい。

3. そのためには、どういう質問をすればいいのか整理し、質問の目的を明確にする

面接の準備の最終段階です。面接の目的、そして人材を採用するために、どういう質問をすれば良いのか考えます。慣れないうちは、応募者の反応を想定しながら質問事項を考えていくと良いでしょう。そして、必要な質問、不要な質問を整理していくことで質問の目的を明確にすることが大切です。質問を通じて、応募者に面接官の質問の意図を知らせるくらいにシンプルな質問をすることに心掛けます。

面接官向け:面接の流れや進め方について

面接官向け:面接の流れや進め方について
面接官に対して、面接の流れ・進め方を説明していきます。

1. 最初に応募書類にしっかりと目を通しておく

採用面接する上で、応募者の応募書類に目を通しておきます。応募書類には履歴書、エントリーシート、中途採用の場合は職務経歴書があります。応募書類を読むポイントは、志望動機を読み取ることです。志望動機は以下の観点で読み取ると良いです。


・当社にどのくらいの熱量をもって応募しているのか
・応募者はなぜ当社でなければならないと思っているのか
・応募者は当社との接点を見出した上で応募しているのか

また、応募書類からどんな人物なのかを想定してみます。想定しておけば、実際の面接の場面で初めて人物を知るよりも効率的に面接を進められます。「一体どんな人物なのだろう」と考えながら面接を行うと、聞きたいことが聞けなかったり、論点を誤ったりしてしまいます。

2. 知りたいことを質問などを通して掘り下げる

いよいよ実際の面接です。面接官は事前に準備した質問を繰り出していきます。「知りたいこと」「聞きたいこと」については事前に質問を用意しておき、質問を重ねて掘り下げましょう。そうはいっても面接は対人関係の場ですので、相手の出方によって、臨機に質問内容を変えたり質問に質問を重ねて掘り下げていったりして下さい。

3. 応募者からの質問にこたえる

面接の最後に応募者から質問ができる機会があります。その際、応募者はこちらが想定していないことも聞いてくる場合があります。初めて面接官を務める訳なので全てを網羅する必要はありませんが、人事制度、教育制度、福利厚生、職場の雰囲気程度のことは答えられるように準備しておいて下さい。

面接官がする特に代表的な質問について

面接官がする特に代表的な質問について
面接の流れや進め方が分かってきたところで、面接官がする代表的な質問について説明します。

面接官の質問例やポイント(新卒の場合)

新卒採用を事例に、面接官の質問例やポイントを解説していきます。

学生時代に頑張ったことを掘り下げる

学生は社会人として働いたことがないので、職務経験を聞くことができません。その代わりに当社に入社して成果を上げられそうか、働いていけそうか、適性はどうかといった点を見極めるために、「学生時代に頑張ったこと」を聞いていきます。留学、ゼミ、研究、勉強、部活、ボランティア活動など、学生時代に頑張った点を把握します。その上で、「実際、どの程度、本人が頑張ったのか」を掘り下げてみましょう。

頑張ったとはいうけれど、意外と本人の関わりが少なかったり、頑張ったという基準が低かったりということがあり得ます。ビジネスでは成果の再現性が問われますので、1回頑張っただけではなく、2度も3度も、頑張りを継続できたかを見ていければ入社後も活躍してくれると思います。

学生時代のアルバイトについて掘り下げる

学生時代のアルバイトでの経験は仕事に密接に関わりますので、じっくり聞いていきましょう。単にお金稼ぎではなく、バイトをして何を得たのか、そして社会人になって経験をどう活かせるのか、質問していきます。「学生時代の頑張った経験」同様に、成果の再現性を感じ取れるような経験を聞き出せるように掘り下げます。

会社選びの基準や就活で重視しているポイントなど

応募者がどんな基準で会社を選んでいるかを聞くと、志望する業界への一貫性が分かります。就活で重視しているポイントを聞くと、働くことで何を求めているかが分かります。

面接官の質問例やポイント(中途の場合)

続いて中途採用を事例に、面接官の質問例やポイントを解説していきましょう。

前職での実績や役割など

中途採用は何らかの職務経験を持つ人材を採用します。従って応募者の前職の実績や役割がどういうものだったかを質問します。実績や役割が明確化すれば、入社してどれだけ活躍できるか分かりますよね。ですので、前職での実績や役割をしっかりと聞きます。

新卒と同じですが成果の再現性を見極めるために、じっくりと掘り下げて質問していくことがポイント。自身が納得するまで掘り下げていきましょう。

転職理由

中途採用に応募する人には転職理由があります。転職理由を聞く時のポイントは以下です。


・転職したい理由は何なのか?
・当社に入社することで、前職における不満は解消されるのか?
・入社しても辞めてしまうのではないか?
・ネガティブな理由だけでなくポジティブな理由があるか?

入社してからやりたいこと

中途採用で応募してくる人には、入社してからやりたいことがあるはず。だから、面接では「やりたいこと」を質問します。「やりたいこと」は転職理由と繋がりがあります。むしろ「やりたいこと」があるから転職したいと言っても良いでしょう。漠然と転職したいと願うのではなく、「やりたいこと」というポジティブな希望があるから転職したいという関連性を面接では掘り下げて聞いてみて下さい。

面接官の心得:聞いてはいけない質問(タブー)など

面接官の心得:聞いてはいけない質問(タブー)など
面接官の心得として、応募者に聞いてはいけない質問(タブー)がありますので、紹介します。これらの心得が守られていないと、せっかく的確な質問をしたのに面接官への心象が悪くなります。現在はSNSが発達していますから、面接官がタブーを質問したことが多くの人に拡散される可能性もあります。

本籍・出生地や家族に関すること

本籍・出生地に関することは質問してはいけません。また、家族に関することも質問してはいけません。就職差別やプライバシー侵害に繋がるからです。

仕事に関係のないプライベートなこと (彼氏・彼女の存在や出産のことなど)

仕事に関係ないプライベートなことも質問してはいけません。「結婚退職されては困るから」と、恋人の存在を尋ねる面接官がいますが、恋人の存在と仕事とは関係がありませんのでタブーな質問です。同様に出産も仕事と関係ないことなので質問はNGとなります。

支持している政党などについて

支持政党、宗教、労働組合についてなどといった、個人の思想・信条に関する事柄を質問してはいけません。これは憲法で保障されている自由権を侵害することになり得ます。

面接官向けのトレーニングも

面接官向けのトレーニングも
面接官を務めるには、事前の準備と個人トレーニングが必要です。しかし、効率的に面接官としての力量を鍛えるなら外部トレーニングもおすすめです。3社紹介します。

マイナビ研修サービス

マイナビ研修サービスでは、新卒面接の基本スキル(質問力・評価の考え方)を学べます。

MARCO POLO

MARCO POLOでは、会社が欲しいと思う人材をどう見抜くか!に焦点を当てた面接官トレーニングです。

株式会社トライアンフ

トライアンフの面接官トレーニングでは、面接官としての基本スキル(質問の深め方・評価のつけ方・入社動機を高めるには?)を学べます。

まとめ

面接官のまとめ
初めての面接官!何をどうしたら良いか分からないと戸惑うことが多いと思います。しかし、どんな仕事においてもそうですが、しっかりと準備を進め、トレーニングを重ねれば恐れることはありません。面接は対人場面ですから、想定したことと違う場面に遭遇することはあり得ます。知識があれば面接官が務まるというものではないので、事前準備をしっかり行い、面接官として面接に臨み、自身、あるいは先輩・上司からフィードバックを受けて改善していけば面接官としての力量は高まっていくことでしょう。

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