身元保証人とは?身元保証人の範囲・入社時にいない場合の対応策を解説

身元保証人の記事
就職活動で内定を得ると人事から「入社時に身元保証人を用意して下さい」と言われることがあります。就職活動中は気に留めることもなかった身元保証人ですが、急に必要だと言われて困った経験はないでしょうか?身元保証人の意味、入社時に身元保証人が求められる理由、入社時に身元保証人がいない場合の対応策について解説します。
目次

身元保証人とは?

身元保証人とは、入社してくる人の身元を保証してくれる人を差します。身元保証人は、社員が企業に対して身元がしっかりした人であることを保証します。身元保証人を必要とするのは企業によりますが、新卒・中途採用による区別はありません。企業が身元保証人を必要と思えば、入社時に入社時に身元保証人が求められるのです。

入社時に身元保証人が求められる理由

なぜ、入社時に身元保証人が求められるのでしょうか。理由を2つ説明します。

企業が採用した人を信頼したいため

企業は時間をかけて求職者を選考します。何度も面接を重ね求職者の人となりを見ます。しかし、それでも企業と求職者の間には情報の非対称性があり、求職者のことを完全に理解することは難しいです。そこで出てくるのが企業が採用した人を信頼したいために身元保証人を求めるという行為なのです。筆記試験や面接を通じて、休職者の能力がコンピテンシー(社内の優秀人材の行動特性)に見合っていることを把握し、かつ、相手の身元が保証されることで、企業は安心して人を採用できるのです。

企業が従業員の損害賠償責任リスクを軽減したいため

身元保証人は、入社した社員が企業に対して何らかの損害を与え、損害賠償の責務を負えない時、損害賠償責任を問われることがあります。企業は社員が損害賠償の責任を取れない時、損害賠償を自社で行わなくてはならなくなります。少しでも損害賠償責任リスクを軽減するために、身元保証人を立てる必要があるのです。

身元保証人の範囲とは?

身元保証人の範囲はどこまでなのでしょうか?親族まで?それとも友人・知人等にも身元保証人を求めることができるのでしょうか?解説していきます。

親族が多い

身元保証人は、通常は親族が担うことが多いです。親族とは、血の繋がりのある関係、および婚姻関係の繋がりのある関係の総称です。法的には六親等内の血族・配偶者・三親等内の姻族を差します。社員の身元を保証するのが身元保証人の役割ですから、他人ではなく親族を定めるということなのですね。

知人でも良いが企業に確認を

企業によっては知人でも良いとする場合があります。しかし、身元保証人は損害賠償責任を負わされるリスクがあります。そのため、安易に知人に身元保証人になってもらっても、損害賠償をしてくれない可能性を企業は気にしています。従って、自己判断で知人に身元保証人になってもらうのではなく、きちんと企業に確認することが賢明。まずは親族を身元保証人に考え、どうしても親族で対象者がいない場合に知人に声を掛けることがベターです。

ただ、親族と違って、知人は他者の身元保証人になることに対してネガティブな印象を持ちがちです。そもそも、意味も理解していない可能性もあります。知人に身元保証人になることを依頼する時は、決して迷惑をかけないことを熱心に伝える必要があるでしょう。

身元保証人には印鑑証明書が必要なことも

企業が身元保証人を必要とする時は、きちんと書類に書いてもらう必要があります。その際、身元保証人が直筆サインをするだけでなく、実印を押印した上で印鑑証明書の添付を求める企業さえあります。自身の近所に身元保証人がいる場合は問題ないのですが、相手が遠方に住んでいる時は、書類に捺印した後に「印鑑証明書の用意が必要だと判明した」ということにならないよう、予め必要書類を確認しておきます。

身元保証人がいない場合はどうするの?

身元保証人がいない場合もあり得ます。特に、キャリア採用で休職者の年齢が高い場合は、親族が死亡しており身元保証人がいないことも。その場合の対応策を解説します。

企業に正直に話す

身元保証人がいないことを企業に正直に話すべきでしょう。誰も身元保証人がおらず、身元保証人探しに翻弄されて内定を辞退する必要はありません。まずは、企業に正直に話して相談してみることで、人事担当者が求職者の誠実な態度を汲み取ってくれ身元保証人無しでも入社を認められる場合があります。ただ、後述のように内定を取り消されることもあるので、早めに相談して対処して下さい。

配偶者は認められないことが多い

身元保証人には、配偶者は認められないことが多いです。なぜなら、身元保証人は社員の身元を保証し、企業の賠償責任リスクを軽減することが目的だからです。配偶者は社員と一体的な立場とみなされがちなので、親族と言っても身元保証人から除外されることがあります。

身元保証人がいなければ内定を取り消されることがある

身元保証人がいなければ、企業は求職者を入社させるにあたり「企業が採用した人を信頼したい」「企業が従業員の損害賠償責任リスクを軽減したい」という需要を満たすことができません。従って、身元保証人がいなければ、求職者は内定を取り消されることがあります。内定取り消しが求職者にとっては最も困る事態ですから、身元保証人がいないことは早めに相談した方が良いでしょう。そして、知人を身元保証人として認められる時は知人に依頼して、身元保証人を用意して下さい。

身元保証人がいなければ内定を取り消される企業の業種としては、銀行や証券会社等の金融業があります。金融業はお金を扱う仕事なので、企業は身元がしっかりしている人を採用したいのです。

身元保証人代行サービスを利用する

親族も知人も身元保証人になってくれない場合、内定取り消しを黙って待っている必要はありません。身元保証人代行サービスし、身元保証人の代わりになってもらうこともできます。ただ、入社したい企業が身元保証人代行サービスを認めていない場合もあるので、人事に対する確認は必要です。

身元保証人代行サービスについて

身元保証人代行サービスとは、どういうサービスをしてくれるのか説明します。

費用を払って身元保証人になってくれる

身元保証人代行サービスは、費用を払って身元保証人になってくれる会社です。親族も知人も身元保証人になってくれる人がいない場合に、依頼できます。金額は会社によって異なりますが、10,000円程度が多いです。金融業では身元保証人代行サービスのリスクが高くなるため金額が高くなりがちです。保証期間には3年や5年等の限度があります。

書類審査を通過する必要がある

身元保証人代行サービスに依頼したいと思っても、必ずしも引き受けてもらえないことがあります。なぜなら、身元保証人代行サービスに依頼するには書類審査を通過する必要があるためです。書類審査を通過できなければ、そもそもサービスを受けられません。

まとめ

新卒にしても中途採用にしても、企業に入社する時に必要となるのが身元保証人です。通常は、人事から配偶者以外の親族を要求されることがあります。企業によっては知人が身元保証人になることを認めている場合もあります。どうしても身元保証人がいない時は、ためらわずに人事に相談しましょう。中には、身元保証人代行サービスの利用を認めてくれる企業もあります。金融業のように、身元保証人がいないと内定を取り消されることもあります。

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