慰留とは?使い方・類語・ビジネスの例文・退職慰留と注意したい点を紹介

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ビジネスの対人場面で慰留という言葉を聞いたことがあると思います。ビジネスでは、「辞めたい」という相手に対し、何とかして思い留まらせるために慰留という言葉を使います。慰留の意味と使い方、ビジネスで使われる慰留の例文、そして退職慰留と注意点について解説していきます。

慰留とは?


慰留は「いりゅう」と読みます。慰留の意味や使い方を解説します。

慰留の意味

慰留には、なだめ思い留まらせることという意味があります。慰留には「慰」という漢字が使われていますね。つまり単純に相手の行動を留めるだけでなく、なだめた上で何とかして行動を阻止するといった意味合いが込められているのです。行動を阻止するべく、執拗にコミュニケーションを取ったり、交渉したりすることが慰留の意味するところです。

慰留の使い方

慰留の意味する「なだめ思い留まらせること」とは、どんな行動を阻止しようとするでしょうか?どんな行動についても慰留が使える訳ではありません。慰留が阻止する行動とは、人が自分の職や地位を辞めるという行動のことなのです。慰留の使い方は、慰留する・慰留を働きかける等があります。

慰留の類語

慰留の類語には、「思い留まらせる」「引き留める」等がありますので、紹介します。

思い留まらせる

思い留まらせるは、慰留のように「職や地位を辞める」行動を思い留まらせる意味にも使えますが、それだけでありません。相手が強い行動に出ようとすることを阻止する時に使えます。例えば、友人が裁判に訴えようとするのを説得して「思い留まらせる」、あるいは、妹が大学院を中退しようとするのを「思い留まらせる」のようにも使えます。

引き留める

引き留めるは、慰留のように「職や地位を辞める」行動を思い留まらせる意味にも使えますが、行動している相手を「引き留める」のように使えます。例えば、アンケートに答えてもらうために歩行者を「引き留める」、あるいは、飲み会に行くのを「引き留める」のようにも使えます。

ビジネスで使われる慰留の例文

ビジネスで「慰留」がどのように使われるのか、例文と共に解説していきたいと思います。

退職を思い留まらせるために慰留する場面

新入社員研修のサポートをしていた人事の元へ、ある新入社員から「辞めたい」と連絡がありました。人事は寝耳に水でしたが、新入社員と面談しました。事情をよく聞いてみると、研修に参加してみて会社に合わないような気がしたとのこと。人事は新入社員のやりたいことや展望をヒアリングしながら、懸命に退職を慰留しました。このように、退職をなだめ思い留まらせる場面で「慰留」が使われます。

役員を慰留され続投する場面

創業者の仲間として、長年にわたり役員務めてきたAさん。60歳を迎え、第2のキャリアを考えたいと、取締役会において役員を降りて一般社員に戻りたいと申し出ました。すると、その場では創業者が肯いたものの、席を変えた場所では、「今、君に辞められては困る」と、役員の辞職を慰留されました。このように、退職だけでなく役職を降りようとするのをなだめ思い留まらせる場面でも「慰留」が使われます。

ビジネスでは退職を慰留する場面で使われることが多い

ビジネスでの慰留する場面を紹介してきました。役職を降りようとするのをなだめ思い留まらせる場面での慰留もありますが、どちらかというと、ビジネスでは退職を慰留する場面で使われることが多いです。やはり、退職の方が日常の場面で起こり得るため慰留が使われることが多いのですね。

辞めて欲しくない社員だからこそ慰留する

「退職したい」と申し出てきた社員が、ルールを破り叱責ばかりされていて人事評価も低い人なら、上司は退職届を遠慮なく受け取ることでしょう。しかし、もし部下が辞めて欲しくない人材だったらどうでしょうか?言葉を尽くして引き留めようとしますよね。このように、慰留は、辞めて欲しくない社員だからこそ慰留するのですね。交換可能な人材でないからこそ慰留する訳です。

人手不足なので慰留する

相手が優秀な人材でなくても、人手不足なので、直ぐには人材を補充できない場合も慰留します。人手不足状態なら、標準的に仕事ができる人材に辞めて欲しくないからです。

退職を慰留する時に注意したい点

ビジネスでは、退職を慰留する時に「慰留」が使われることが多いと説明しました。しかし、退職を慰留する時にもトラブルがあるのも事実。退職を慰留する時に注意したい点を解説します。

無理な慰留は「慰留ハラスメント」に繋がる

無理な慰留は、社員にハラスメント(嫌がらせ)に感じさせてしまうことをご存知でしょうか?相手が退職の意思を固めて、慰留に応じる素振りがないのに無理に退職を引き留めると、慰留ハラスメントに感じさせてしまうので注意して下さい。慰留ハラスメントに繋がる事例としては以下のようなものがあります。

・会議室に何時間も閉じ込めて慰留する
・退職届を受け取らない
・退職届を受け取るが退職の話をうやむやにする
・「今退職したら損害賠償を請求する」と言う

上司が退職を希望している相手に慰留しても、それでも退職の意思が翻意されないなら諦めることが重要。特に正社員の退職は労働法で厳格に守られていますから、ハラスメントにならないような対応が必要なのです。

傾聴して退職理由の本音を聞く

退職を申し出てきた相手は、退職理由の本音を隠している場合があります。エンジャパンの調査によると、「会社に伝えた退職理由はホンネと異なるものでしたか?」という質問に対して、47%の人が「はい」と答えているのです。多くの人が退職理由を伝えないのです。退職を申し出てきた相手の話を聞いていれば、本音か偽りかの判断がつくと思います。刑事のように詰問するのではなく、あくまで傾聴して退職理由の本音を聞くことが重要でしょう。退職理由の問題を解決できるかもしれないからです。

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解決できる問題か否かを短期間で検討する

退職理由の本音を聞くことができた場合、解決できる問題か否かを短期間で検討することも必要。ダラダラと問題の検討に時間をかけていると、相手も退職に向けて大きく舵を切る可能性もあります。一度、相手の退職理由を聞いて「解決できる問題か否かを考える」ことにした場合は、短期間で問題の検討を決定しなくてはなりません。

解決できる問題は解決に動く

問題の検討が済んだら、解決できる問題は直ぐに解決に動いて下さい。職場が嫌なら配置転換、仕事が嫌なら部署異動を実行するのですね。そして、その際は退職を希望している相手に「問題の解決に動いているから辞めないで下さい」と伝えます。そこで相手が首を縦に振れば良いですが、振らないこともあります。その際は無理に慰留しないことです。慰留ハラスメントに陥ってしまいます。

退職意思が固い場合は無理に引き留めない

相手の退職意思が固い場合は無理に引き留めない。これは「退職を慰留する時に注意したい点」の鉄則。問題解決したところで相手の意思を翻意させるのが困難なこともあります。従って、相手の退職意思が固い場合は無理に引き留めないことが重要なのです。無理に慰留して相手が会社に悪い心象を持っては大変です。どんなハラスメントでも同様ですが、インターネットに慰留ハラスメントを受けたと書き込まれては、企業としてもイメージが悪くなります。

退職慰留に失敗しても問題は解決する

退職理由で挙げられた問題は、退職を申し出てきた相手があろうとなかろうと、いずれは噴出してきた問題でしょう。その時期がいつなのかといった程度の意味合いしかありません。ということは、退職理由で挙げられた問題は、退職慰留に失敗しても問題解決に努めなくてはならないのです。そうすることで、企業内の問題が解決すれば、既存の社員にとっては嬉しいことです。

まとめ

ビジネスで使われる慰留は、主に人の退職をなだめ思い留まらせるために使われる言葉。必要な人材であればある程、慰留される機会は増えるでしょう。企業は、間違っても慰留ハラスメントに陥らないように、適度に言葉を選んで慰留に努めて欲しいと思います。