ヒトモノカネとは?重要性・活用法・ヒトに焦点を合わせた活用法を解説

ヒトモノカネの記事
企業を経営するために必要な経営資源としてヒトモノカネがあります。企業が会社を維持し、売上を伸ばしていくためにはヒトが必要です。また、製品を生み出すための機械や設備等のモノも必要です。また、そもそもカネがなければ会社を維持できず販促もできません。企業経営のためにヒトモノカネは重要なのです。記事では、ヒトモノカネの重要性や活用法、そしてヒトに焦点を合わせた活用法についても解説します。
目次

ヒトモノカネとは?

経営資源であるヒトモノカネとは何かについて解説します。

経営資源としてのヒトモノカネ

企業経営のために利用できる要素として経営資源があります。経営資源としては以下の3つがありヒトモノカネと総称されます。

・ヒト
・モノ
・カネ

ヒトモノカネについて具体的に解説します。

ヒト

ヒトは人材のことを指します。企業は、新入社員から管理職まで全ての人材を経営資源としています。企業が売上を上げて利益を生み出し、経営していくために人材の力が必要です。例えば、メーカーの例でヒトを考えてみましょう。メーカーが受注を受けて、工場で製品を生産し、顧客に販売していくプロセスでも多くのヒト(人材)を必要とします。企業で働く人材1人ひとりが職務を遂行するために、能力を有し、成果を果たします。

モノ

モノは企業経営のためにヒトが扱うモノのこと。メーカーの例でいえば、製品を生み出すための機械や設備、そして製品そのものもモノといえます。また、メーカーの企業経営は工場が稼働していれば良い訳ではなく、営業や管理のようなセクションもありますね。営業や管理部門が仕事をするために使うパソコンやスマホ、複合機やサーバー等も企業経営が成り立つために必要なモノといえます。

カネ

カネは資金のこと。カネは企業を経営するための血液ともいえるもので、カネがなくなれば企業は倒産してしまいます。工場の稼働や営業活動、ITサービスの保守管理、あるいは人材の採用・育成・定着を行うためにもカネがベースとなるのです。企業を維持し、発展させるためだけではなく、経営資源を企業が入手するためにもカネが必要となるのです。

カネをどこから調達するのかも経営資源を管理する時に考えなくてはなりません。市場から調達するのか、金融機関から調達するのかによって財務状態が変わってくるのです。

「情報」を加えて4大経営資源ということも

ヒトモノカネは3つの経営資源でしたが情報を加えて4大経営資源ということもあります。ヒトモノカネは有形の経営資源ですが、情報は顧客情報や技術・ノウハウ等の無形の経営資源を指します。

バーニーによる経営資源との関係

米国の経営学者ジェイ・B・バーニーは経営資源を以下の4つに分けて考えました。バーニーの考え方とヒトモノカネはどのように関係するかを考えてみましょう。

・財務資本:金銭の資源のことで、ヒトモノカネのカネに値する
・物的資本:設備や技術の他に立地も含まれる概念で、ヒトモノカネのモノに値する
・人的資本:人材や人間関係や人材が持つスキルのことで、ヒトモノカネのヒトに値する
・組織資本:人材が集まる組織や組織のシステムまで含まれる概念

キャッシュフローで考えるヒトモノカネの重要性

ヒトモノカネの概要について理解頂けたと思います。続いて、キャッシュフローで考えるヒトモノカネの重要性を説明します。

モノとカネだけではキャッシュを生み出せない

財務諸表の貸借対照表(バランスシート)には、現金・売上債権・有形固定資産等が並んでいます。キャッシュフローで考えると現金や売上債権は、ヒトモノカネでいうところのカネ。カネがカネを生み出すことができません。現金をいくら持っていてもヒトが投資しなければカネを増やすことはできないのです。一方、工場や土地等の有形固定資産、つまりモノは、製品を生産することでカネを生み出すと考えます。

しかし、モノがカネを生むためにはヒトが土地の上に工場や設備を立てることで生み出せるのがキャッシュフローの考え方です。従って、モノとカネだけではカネを生み出せず、ヒトがいることでようやくキャッシュを生み出せます。

キャッシュフローを生む力を有する「ヒト」

キャッシュフローを生む力を持っているのはヒトです。企業経営のために経営資源は全て重要ですが、ヒトに着目して活用方法を考えることも、経営資源の配分を考える時には必要といえます。次の項目ではヒトモノカネの活用法について具体的に説明します。その後、ヒトに着目した活用法を解説していきます。

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経営資源「ヒトモノカネ」の活用法

ヒトモノカネの分析方法と適切な配分方法について説明します。分析方法はVRIO分析、配分方法はPPMで説明します。

VRIO分析

VRIO分析とは、ジェイ・B・バーニーが提唱したフレームワークで経営資源の強み・弱みを分析することができます。VRIO分析には以下の4つの視点があります。

・経済的価値(Value)
・希少性(Rarity)
・模倣可能性(Imitability)
・組織(Organization)

頭文字をとってVRIO分析と呼ぶのです。

経済的価値は、ヒトモノカネに経済的もしくは社会的価値があるかといった観点で評価します。希少性は、ヒトモノカネにどれくらい希少性があるかといった観点で評価します。模倣可能性は、ヒトモノカネが他社からどれだけ模倣されにくいか、あるいは模倣されやすいかという観点で評価します。組織は、ヒトモノカネを活用するための組織が整っているかで評価します。

VRIO分析によって経営資源を評価することで、企業はヒトモノカネを効果的に配分していくことができます。

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PPM

PPMとは、ボストンコンサルティンググループが提唱した事業戦略フレームワークのこと。PPMはプロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの略語です。PPMは市場成長性と市場シェアという2つの軸を元に、適切な資源配分を目指すためのフレームワークです。PPMは事業を以下の4つに分けて考えます。

・花形
・金のなる木
・問題児
・負け犬

花形は市場成長性も市場シェアも高い事業です。競合が多いため、ヒトモノカネの投資を積極的に行い、市場シェアを伸ばしつづけなくてはなりません。次に金のなる木は、市場成長性は低いですが市場シェアが高い事業。市場成長性が低いために経営資源の投資は少なくて済みます。

問題児は市場成長性が高いけれど市場シェアが低い事業です。問題児の事業ではシェアが低いために経営資源への積極的な投資が必要になります。負け犬は市場成長性も市場シェアも低い事業です。積極的な投資は必要なく、利益を出すことが困難な事業。事業を続けているだけで経営資源が使われていくので、撤退も考えましょう。

ヒトモノカネの「ヒト」の活用法

ヒトの活用法を人材開発・組織開発・評価制度の3ポイントで解説します。

ヒトに優先的に投資すべき理由

キャッシュフローの観点だけでなく、企業が維持し、さらに利益を拡大するためにもヒトが重要でありヒトを育てるために優先的に投資する必要があります。

投資するための方法

ヒトに投資するための方法を紹介します。

人材開発

人材開発は企業が人材を教育することで、人材の持っている能力を高めることをいいます。人材開発で高める能力とは職務を遂行するための能力です。能力を高め、レベルの高い職務をこなし、難しい課題の達成や問題解決を行うことで、組織力が上がり、企業の経営目標も達成できるのです。

人間には感情があるため、人材開発には正解がありません。他社で成功した教育研修が自社の人材に合うとは限らないのです。企業ごとに違う人材に見合った教育研修やOJTの方法を駆使して人材開発を行うことで、ヒトを有効に活用できます。

組織開発

組織開発とは、企業が組織の活性化を図り、あるいは組織の問題を解決するために組織に介入することです。組織開発では、行動科学という経営学や心理学を駆使した総合的なアプローチを活用して、組織活性化や問題解決を目指します。

組織開発が扱うのは組織であり、組織に所属するヒト。組織全体にアプローチすることで、組織に所属する人材の能力を高め、組織内の人間関係を高めることができるのです。

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社員のモチベーションを上げる評価制度への改定

ヒトを有効に活用するために評価制度を改定することも必要です。社員のモチベーションを上げる評価制度に改定し、人材が自立的に働いてくれる仕組みを構築します。評価制度と共に1on1ミーティングにより上司・部下間の交流を円滑にすることで、組織内の交流がフラットになります。そうすれば、企業や上司から強制されることなく、自立的に仕事や自己啓発に励む人材を育てることができる仕組みとなり得ます。

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まとめ

ヒトモノカネは企業を経営するために必要な経営資源。ヒトモノカネを活用するために、VRIO分析によるヒトモノカネの評価、そしてPPMによる適切な資源配分が必要だということを説明しました。ヒトモノカネはキャッシュフローの観点で見るとヒトが重要であり、記事ではヒトに焦点をあてた活用法についても解説しています。

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